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1992/93のワクチン株であるA/北京/353/89(H3N2),A/テキサス/36/91(H1N1),A/台湾/1/86(H1N1)およびB/パナマ/45/90に対するHI抗体(1:40≦)の有無を年齢および地域を一致させた1991年(630本),1992年(640本)の血清について比較した。
A(H3N2)型に対する免疫は,0〜14歳のグループで約3倍増加(1991年25%から1992年74%へ)。15〜34歳および35〜64歳のグループでは2倍以上,65歳以上ではほぼ2倍の増加がみられた。A(H1N1)型およびB型に対しては,増加の程度は年齢,地域ごとに差があるが,全体として若干の増加がみられた。1991/92における主要流行型であったA/北京/353/89(H3N2)型は,前年15歳以下の若年者が主に罹患し,このグループの抗体保有率が上昇しているため,1992/93流行時には前年ほど大きなインパクトはないであろう。しかし,15〜34歳および35〜64歳のグループでは,まだかなり感受性者が存在している。
A(H1N1)型はある程度抗体があるので,比較的軽い流行ですみそうだが,B型は全年齢層において抗体レベルが低いので,流行の可能性が高いと考えられる。
(Canada CDR,18−22,161,1992)
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