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米国南西部で発生した急性疾患の剖検例2例からハンタウイルスのゲノムがPCRで検出された。また,地域住民の1991〜92年の血清の3/270例にハンタウイルスに対する抗体が検出され,患者発生地区周辺の齧歯類の12/42匹が同抗体陽性であった。全例シカネズミ(Peromyscus maniculatus)であった。
本疾患におけるハンタウイルスの関与が示唆されたのに伴い,診断基準を次のように改定した。確認例は,原因不明の成人の急性呼吸窮迫症候群,または急性の両肺性間質浸潤を示した場合か,1993年に前駆症状が始まり検査でハンタウイルスに最近感染したことが証明された場合のいずれか,あるいは両方を有する症例とした。疑い例は,検査結果がまだ出ていない患者で入院後1週間以内の臨床症状が同様の例とした。
6月15日現在で確認例は7例(うち4例死亡),疑い例は22例(うち12例死亡)である。
(WHO,WER,68,No.26,192,1993)
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