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Vol.15 (1994/8[174])

<外国情報>
ランブル鞭毛虫症の動物からの伝播−英国


 1990年秋にイギリスの東サフォークでランブル鞭毛虫感染の大きな流行があったが,その原因は解明できなかった。しかし,それ以前の検査記録をみると1988年(ピークは6月と7月)を除いて,ランブル鞭毛虫症患者は毎年秋に増えていることがわかった。

 そこで1991年7月1日〜1992年1月31日に報告されたランブル鞭毛虫症症例の感染原因究明を行った。この期間に発見されたランブル鞭毛虫症の患者は総計60例であった。そのうち初感染者(1日3回以上の下痢を有し,その家族内での最初の感染者となったもの)の33例および性,年齢をマッチさせて選び出した対照群112例についてアンケート調査によりCase control studyを行った。

 対象者33例の月別の流行曲線は10月に高い山が見られ,年齢的には0〜4歳(人口100,000に対して22例)と25〜54歳(同19例)に高い山が見られた。男女比は1.36:1で,職業や社会的地位等による差は認められなかった。33名の患者は悪臭のある多量の下痢をしており,2名には血便が見られた。また15名は吐き気を伴った腹痛があり,14例には体重減少が見られた。4名は鞭毛虫症には直接は関係のない症状が見られた。

 対照群と比較し解析を行った結果,生水や野菜,果物の消費,公衆浴場や海での遊泳とランブル鞭毛虫症感染とは関係はなかったが,動物との接触,特に農業動物(豚)やペット(犬や猫)との接触に有意の相関が見られた。しかし,感染機構は不明である。

(CDSC,CDR,4,Review bR,R32,1994)






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