2006/07シーズンは、Norovirus genogroup II による施設内集団感染、食中毒などの集団発生の報告が例年に比べ早く10月から大きく増加し(表5、図3)、11月をピークに2006年9月〜2007年8月までに1,208事例が報告されている(11事例ではgenogroup I と II を検出)。このうち、genogroup IIの遺伝子型別まで実施された485事例中454事例ではGII/4が検出されている。他にはGII/2が10事例(11月4事例、12月1事例、1月2事例、2月、3月、6月各1事例)、GII/3が4事例(4月、5月、6月、8月各1事例)、GII/5が3事例(1月、3月、4月各1事例)、GII/6が1事例(11月)、GII/9が2事例(10月、3月各1事例)、GII/13が11事例(1月1事例、2月2事例、3月3事例、4月2事例、5月2事例、6月1事例)で検出されている。また、16事例ではgenogroup I が検出され、15事例のgenogroupは不明である。
Norovirusが検出された1,243事例の推定感染経路別の内訳は、人→人感染が疑われているものが767事例、食品媒介が疑われているものが239事例、その他感染経路が特定できず不明のものが237事例であり(表5、図4)、診断名別にみると、「感染性胃腸炎」917事例、「食中毒」216事例、「有症苦情(食中毒疑いを含む)」106事例、「不明」4事例である(表6)。