2007/08シーズンは2007年12月をピークに、2007年9月〜2008年8月に発生したNorovirusによる集団感染814事例が報告されている。643事例ではgenogroup II、95事例ではgenogroup I、25事例ではgenogroup I と II が検出され、51事例のgenogroupは不明である(表3、図1)。このうち、genogroup IIの遺伝子型別まで実施された283事例中233事例ではGII/4が検出され、他にはGII/3が22事例、GII/13が18事例、GII/2が11事例、GII/1が2事例、GII/6が1事例で検出されている。また、genogroup Iの遺伝子型別まで実施された41事例では、GI/4が26事例、GI/8が14事例、GI/5、GI/11、GI/14が各1事例で検出されている。このうち、複数の遺伝子型が検出された事例はGII/4+GII/13、GII/4+GI/8が各2事例、GII/4+GII/2+GI/4+GI/8、GII/4+GI/4+GI/11、GII/4+GII/2、GI/4+GII/13が各1事例であった。
Norovirusが検出された814事例の推定感染経路は、老人施設、病院、福祉施設、保育所、小学校、宿舎・寮、ホテル、宴会場などでの人→人感染が疑われているものが450事例、食品媒介が疑われているものが177事例、その他感染経路が特定できず不明のものが187事例であり(表3、図2)、診断名別にみると、「感染性胃腸炎」526事例(海外旅行での1事例を含む)、「食中毒」149事例、「有症苦情(食中毒疑いを含む)」131事例、「その他・不明」8事例である(表4)。