2008年9月〜2009年3月に発生したNorovirusによる集団感染293事例が報告されている。246事例ではgenogroup II、19事例ではgenogroup I 、2事例ではgenogroup I と II が検出され、26事例のgenogroupは不明である(表1、図1)。このうち、genogroup IIの遺伝子型別まで実施された116事例中90事例ではGII/4が検出され、他にはGII/6が20事例、GII/2が3事例、GII/3、GII/12、GII/13が各1事例で検出されている。また、genogroup Iの遺伝子型別まで実施された9事例中8事例ではGI/4、1事例ではGI/8が検出されている。
Norovirusが検出された293事例の推定感染経路は、保育所、幼稚園、小学校、福祉施設・老人施設、病院、飲食店などでの人→人感染が疑われているものが158事例、食品媒介が疑われているものが73事例、その他感染経路が特定できず不明のものが62事例であり(表1、図2)、診断名別にみると、「感染性胃腸炎」192事例、「食中毒」59事例、「有症苦情(食中毒疑いを含む)」42事例である(表2)。