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第13週ダイジェスト
(3月24日〜30日)
  • 発生動向総覧
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。


 発生動向総覧

〈第13週コメント〉4月3日集計分
全数報告の感染症

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

コレラ1 例(推定感染地域:ベトナム1 例)、細菌性赤痢8 例(推定感染地域:国内3 例、インド3 例、ミャンマー1 例、不明1 例)、腸チフス4 例(推定感染地域:インド、インド/ネパール1 例、その他1 例、フィリピンの1 例は疑似症)、パラチフス2 例(推定感染地域:国内1 例、インド/タイ1 例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症6 例(うち有症者5 例)

4類感染症:

アメーバ赤痢3 例(推定感染地域:すべて国内)、オウム病1 例(セキセイインコ)、ツツガムシ病1 例、デング熱1 例(推定感染地域:インドネシア)、破傷風3 例(すべて創部感染。81 歳、75 歳、34 歳)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1 例(血液培養、型別未定)

急性ウイルス性肝炎10例

A 型8 例(推定感染地域:国内6 例、不明2 例)
E 型2 例(推定感染地域:国内1 例、中国1 例)

後天性免疫不全症候群10例

(無症候6 例、AIDS 3 例、不明1 例)
感染経路:性的接触9 例(同性間3 例、異性間6 例)、
母子感染1 例
推定感染地域:国内6 例、インドネシア、タイ、その他各1 例、不明1 例

梅毒6 例(早期顕症2 例、無症候4 例)
マラリア1 例(熱帯熱マラリア_推定感染地域:ザンビア)

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
 マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は引き続き、過去3 年間の同時期の平均の約2倍あり、都道府県別では、青森県(1.3)、新潟県(1.0)、岡山県(1.0)、愛媛県(1.0)が多い。他の疾患の定点当たり報告数は、過去5 年間の同時期と比べて特別多くなってはいない。水痘の定点当たり報告は増加し、都道府県別では沖縄県(8.8)と宮崎県(4.3 )からの報告が引き続き多い。風疹と麻疹(成人麻疹を除く)もわずかながら増加し、前者は依然として岡山県(0.8)からの報告が多く半数を占め、後者は福島県(1.1)、宮崎県(0.8)、鹿児島県(0.6)が多い。手足口病は引き続き宮崎県(1.4)で多い。インフルエンザの定点当たり報告数は減少を続け、5.0 を下回った。広島県(0.9)以外の都道府県では報告数が減少している。2桁の報告があるのは山口県(15.8)、秋田県(15.3)、福井県(13.3 )、鳥取県(13.1)、佐賀県(11.6)、山形県(10.0)の6 県のみであり、埼玉県(0.9)、広島県(0.9)、東京都(0.7 )では1.0 を下回った。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は連続して減少したが、例年よりわずかに多い。4 〜5 歳の報告が多く、都道府県別では、石川県(4.3)、富山県(3.6 )、福井県(3.6 )が増えている。感染性胃腸炎も41 の都道府県で報告数が減少したが、宮崎県(18.4 )を始め13 県で依然二桁の報告数がある。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。


  注目すべき感染症

◆マイコプラズマ肺炎

 マイコプラズマ肺炎は1999 年3 月までの旧感染症発生動向調査では、異型肺炎として報告されてきたが、そこでは必ずしもマイコプラズマ肺炎だけでなく、他のウイルス性の肺炎なども含まれていた。しかし現在の感染症法においては、マイコプラズマ肺炎として独立した4 類感染症定点把握疾患となった。また、旧発生動向調査では小児科・内科定点からの報告であったが、現在は全国約500 カ所の基幹定点医療機関からの報告となっている。

図. マイコプラズマ肺炎の年度別週別発生状況

 本疾患は従来、4 年周期でオリンピックのある年に流行を繰り返してきたが、近年この傾向は崩れつつある。1 年間での推移をみると、晩秋から初春にかけて増加がみられていたが、感染症法施行後、新たなサーベイランスシステムになっても、この傾向に変化はない。に感染症法施行以来の週別の定点当たり報告数を示す。2003 年の報告数は、過去の報告より高く推移している。
 例年では、減少傾向に入る時期にもかかわらず、依然として明瞭な減少傾向は認められてなく、注意が必要である。


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