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          | 第14週ダイジェスト (3月31日〜4月6日)
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          |  | をPDF版よりピックアップして掲載しています。 |  
  発生動向総覧 
 〈第14週コメント〉4月10日集計分◆全数報告の感染症
  
       
         
          | 1類感染症: | 報告なし |   
          | 2類感染症: | 細菌性赤痢6 例(推定感染地域:国内2 例、インド4 例)パラチフス2 例(推定感染地域:ネパール、タイ各1 例)
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          | 3類感染症: | 腸管出血性大腸菌感染症9 例(うち有症者5 例) |   
          | 4類感染症: | アメーバ赤痢2 例(推定感染地域:いずれも国内)、エキノコックス症1 例(多包条虫)、オウム病1 例(推定感染源:インコ)、クロイツフェルト・ヤコブ病1 
              例(孤発性)、ジアルジア症1 例(推定感染地域:インド)、髄膜炎菌性髄膜炎1 例(血清型不明。47 歳)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1 
              例(菌検出検体:血液。遺伝子型未定) 
               
                | 急性ウイルス性肝炎13例 | A 型8 例(推定感染地域:国内7 例、中国1 例)B 型5 例(推定感染経路:性的接触3 例、不明2 例)
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                | 後天性免疫不全症候群10例 | (無症候7 例、AIDS 3 例)推定感染経路:性的接触10 例(異性間1例、同性間8例、
                    異性間/同性間1 例)
 推定感染地域:国内8 例、国内/タイ1 例、不明1 例
 |  梅毒5 例(早期顕症4 例、無症候性1 例)マラリア2 例 熱帯熱マラリア2 例(推定感染地域:ブラジル、ナイジェリア各1 例)
 |  ◆定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去4 年間の同時期の平均の約2 倍あり、都道府県別では依然として岡山県(1.2)が多い。他の疾患の定点当たり報告数は、過去5 
        年間の同時期と比べて特別多いものはない。インフルエンザの定点当たり報告数は減少を続け、2.0を下回った。すべての都道府県で減少し、定点当たり報告数5.0 
        以上の都道府県は鳥取県(6.5)、秋田県(6.3)、山口県(5.8)、宮崎県(5.3)だけとなった。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少しているが、例年よりもわずかに多い。感染性胃腸炎も減少し、定点当たり報告数10.0 
        を上回る都道府県は宮崎県(14.4 )、鳥取県(12.9)など8県に減少した。水痘の定点当たり報告数はほぼ横ばいで推移しており、都道府県別では、沖縄県(6.9)と宮崎県(4.5)からの報告が引き続き多い。手足口病、風疹、麻疹の定点当たり報告数はいずれもわずかに増加した。手足口病は引き続き宮崎県(1.5)が多い。風疹は依然として岡山県(0.7)からの報告が多い。麻疹(成人麻疹を除く)は、引き続き宮崎県(1.1)、福島県(1.0)が多い。同時に、成人麻疹の定点当たり報告数も増加傾向にあり、都道府県別では宮崎県(0.4)、福島県(0.3 
        )、東京都(0.3)、神奈川県(0.3)が多い。
  
            
        当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ 上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。
  
        
         
 
   注目すべき感染症 ◆髄膜炎菌性髄膜炎 
         
          |  髄膜炎菌性髄膜炎は髄膜炎菌Neisseria 
              meningitidis によって引き起こされる感染症であるが、この菌は少なくとも13 種類の血清群に分類されている。起炎菌として分離されるものはA, 
              B, C, Y, W‐135 が多く、なかでもA,B,C を合わせると全体の90%以上を占める。米国や英国では年間2,000 例前後の患者が報告されており、公衆衛生上重要な疾患となっている。一方、我が国での報告は少なく年間10 
              例前後であるが(図参照)、今年に入って既に8 例の報告がある。
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          | 図. 
              髄膜炎菌性髄膜炎の年別報告数(1999 年4 月〜2003 年第14 週) |   諸外国ではA あるいはC の単独、それらの2 群混合、A, C, 
        Y, W‐135 の4 群混合の精製莢膜多糖体ワクチンが使用されている。しかし、2歳以下の幼児には効果が低く、大人でも数年で効果がなくなるとされている。最近ではC 
        群髄膜炎菌について不活化ジフテリアトキシンに結合させた結合型ワクチンが開発され、英国で導入されて大きな成果を挙げている。しかし、B群髄膜炎菌に対するワクチンは開発されていない。我が国では今のところ髄膜炎菌のワクチンは導入されていない。国内で患者から分離された菌の血清群を調べることは、菌の由来やワクチン導入に関して貴重なデータとなるため、検査可能な地研あるいは国立感染症研究所細菌第一部で検査することが望まれる。
 欧米では感染者の家族など、濃厚接触者にはリファンピシンやシプロフロキサシンなどの予防内服が行われており、我が国でも積極的に接触者の確認や予防内服が行われるべきである。
 以下のガイドラインも参照のこと。
 米国 http://www.cdc.gov/ncidod/dbmd/diseaseinfo/meningococcal_a.htm
 英国 http://www.phls.co.uk/topics_az/meningo/advice/mentopic.htm
 
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