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第15週ダイジェスト
(4月7日〜13日)
  • 発生動向総覧
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。


 発生動向総覧

〈第15週コメント〉4月17日集計分
全数報告の感染症

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢9 例(推定感染地域:国内5 例、パキスタン1 例、ラオス1 例、不明2 例)
腸チフス2 例(推定感染地域:国内1 例、インド1 例)、パラチフス1 例(推定感染地域:タイ/ベトナム)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症17 例(うち有症者11 例)

4類感染症:

アメーバ赤痢3 例(推定感染地域:いずれも国内)、クロイツフェルト・ヤコブ病1 例(孤発性)、ツツガムシ病1 例、デング熱1 例(推定感染地域:ニューカレドニア)、破傷風1 例(75 歳)、レジオネラ症1 例

急性ウイルス性肝炎12例

A 型6 例(推定感染地域:国内5 例、インド1 例)
B 型6 例(推定感染経路:性的接触2 例、不明4 例)

後天性免疫不全症候群8例

(AIDS 2 例、無症候6 例)
推定感染経路:性的接触6 例(異性間2 例、同性間4 例)
不明2 例
推定感染地域:国内6 例、不明2 例

梅毒4 例(早期顕症2 例、無症候性2 例)

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
 咽頭結膜熱の定点当たり報告数は微増し、過去5 年間の同時期と比較してやや多い。また、過去10年間と比 較すると2001 年に次ぐ高値で推移しており、都道府県別では福井県(0.8)、滋賀県(0.5)が多い。マイコプラズ マ肺炎の定点当たり報告数は前週と同値で、依然として過去4年間の同時期の平均の約2倍あり、都道府県別 では青森県(1.0)が多い。インフルエンザの定点当たり報告数は減少を続け、1.0を下回った。すべての都道府 県で減少し、定点当たり3.0以上の都道府県は秋田県(3.5)と宮崎県(3.1)だけとなった。A群溶血性レンサ球菌 咽頭炎の定点当たり報告数は微増したが、都道府県別では富山県(3.3)、石川県(3.0)が多い。感染性胃腸炎 の定点当たり報告数は4 週連続で減少している。水痘の定点当たり報告数はほぼ横ばいで推移しており、都道 府県別では、沖縄県(8.8)からの報告が引き続き多い。手足口病、伝染性紅斑、ヘルパンギーナの定点当たり 報告数はいずれも微増した。都道府県別では、手足口病は宮崎県(2.2)、伝染性紅斑は北海道(0.8)、新潟県 (0.7)、鳥取県(0.6)、また、ヘルパンギーナは鳥取県(0.9)が多い。風疹の定点当たり報告数は微減したが、都 道府県別では岡山県(0.6)からの報告が依然として多く、全体の約4割を占めている。麻疹(成人麻疹を除く)は ゆっくりと増加しており、都道府県別では福島県(0.9)、鹿児島県(0.6)、宮崎県(0.6)が引き続き多い。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。


  注目すべき感染症

◆インフルエンザ(2002/03 シーズン)

 インフルエンザの定点当たり報告数は全国平均で0.71 で、1.0 を下回った。秋田県(3.5 )、宮崎県(3.1 )を除くと、他の都道府県では定点当たり報告数は3.0 以下となり、1.0 以下の都道府県も28
カ所となった。また、警報・注意報の出ている保健所はなくなった。
2002/03 シーズンの定点当たり報告数の推移をみると、2002 年第50 週に1.0 を超えたあと急増し、2003 年第4 週38.7 をピークに減少に転じた。感染症法施行後の過去4 シーズンと比較すると、ピー
クが早めでピーク値も大きかった。

図. 過去10 年間のインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

 それ以前のシーズンとは定点設計が異なるために単純な比較はできないが、過去10 シーズンでは1994/95 シーズン、1997/98 シーズンのピーク値は50 を超えていたので、これに比べれ2002/03シーズンのピークは小さい。
 2003 年第5 週以降、定点当たり報告数は減少しているが、第8 週から第11 週にかけて減少が鈍くなった。これは、先行したAH3 型ウイルスによる流行が第4 週をピークに順調におさまっていったのに対し、遅れて始まったB 型による流行が比較的長引いたためと考えられる。全国の地研から報告される病原体の分離報告は分離陽性例のみの報告であるため、ウイルス分離を実施した検体数は不明であるが、ウイルス分離報告数の推移は患者報告のトレンドを反映している。


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