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第17週ダイジェスト
(4月21日〜27日)
  • 発生動向総覧
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。


 発生動向総覧

〈第17週コメント〉5月1日集計分
全数報告の感染症

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢3 例(推定感染地域:インド1 例、インドネシア1 例、不明1 例)、腸チフス1 例(推定感染地域:ナイジェリア)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症6 例(うち有症者5 例)

4類感染症:

アメーバ赤痢6 例(推定感染地域:国内4 例、不明2 例)、クロイツフェルト・ヤコブ病3 例(いずれも孤発性)、ジアルジア症5 例(推定感染地域:国内2 例、スリランカ1 例、インドネシア1例、トルコ1 例)、ツツガムシ病3 例、レジオネラ症3 例

急性ウイルス性肝炎4例

B 型1 例(推定感染経路:不明)
C 型2 例(推定感染経路:いずれも不明)
EB ウイルス1 例

後天性免疫不全症候群5例

(無症候4例、その他1例)
推定感染経路:性的接触5例(同性間4例、異性/同性間1 例)、推定感染地域:国内5例

梅毒8 例(早期顕症2 例、無症候性6 例)
マラリア1 例(三日熱_推定感染地域:インド)

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
 咽頭結膜熱の定点当たり報告数は3 週連続で増加し、過去5 年間の同時期の平均と比較してかなり多く、過去 10 年間との比較でも最高の値となっている。都道府県別では滋賀県(1.3 )、福井県(1.0 )が多い。A 群溶血性レ ンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は微増し、過去5 年間の同時期の平均と比較してやや多く、過去10 年間と の比較では2000 年に次ぐ高値となっている。都道府県別では富山県(5.5)、山形県(3.0)、石川県(2.7)、福井 県(2.7)、宮崎県(2.7)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数はわずかに減少し0.17 で、依然として過 去4 年間の同時期の平均の約2 倍あり、都道府県別では新潟県(0.9)、青森県(0.8)、宮城県(0.6)が多い。イン フルエンザの定点当たり報告数はさらに減少した。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は微減し、都道府県別で は引き続き鳥取県(16.8)、福井県(11.2)、宮崎県(10.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、都道府県 別では沖縄県(6.7)、宮崎県(4.0)が多い。手足口病、ヘルパンギーナの定点当たり報告数はいずれも微増し た。都道府県別では、手足口病は宮崎県(2.3)、山口県(1.1)が、ヘルパンギーナは鳥取県(1.0)、熊本県(0.6)、 山口県(0.5)が多い。風疹の定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では依然として岡山県(1.2)が非 常に多く、全国の報告数の半数以上を占めている。麻疹(成人麻疹を除く)も前週と同値で、都道府県別では福 島県(1.2)、鹿児島県(0.6)、栃木県(0.5)、宮崎県(0.5)が多い。流行性角結膜炎は微増し、都道府県別では 沖縄県(3.4)、高知県(3.3)が多い。成人麻疹は前週と同値の0.05 で、都道府県別では東京都、福島県、神奈

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。


  注目すべき感染症

◆咽頭結膜熱

 咽頭結膜熱の定点当たり報告数は例年より多い状態で推移しており、第17週でも更に増加しており、過去10年間のうちでも最大となっている。
 本疾患はアデノウイルスによる感染症で、発熱、咽頭炎、眼症状を主とする。プールでの感染も見られることからプール熱とも呼ばれる。例年、6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月にピークを形成する夏季の疾患である。学童年齢の罹患が主であるとされているが、感染症発生動向調査での罹患年齢からは、5歳以下が約6割を占めている。アデノウイルス3 型が主であるが、1 ,4 ,7 型も知られている。感染経路は通常飛沫感染であるが、プールでは結膜からの感染や経口的な感染も考えられている。

図. 過去10 年間の咽頭結膜熱の週別定点当たり報告数

 症状としては、5〜7日の潜伏期の後に発熱、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、咽頭痛、結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂などの症状があり、それらが3 〜5 日間程度持続する。基本的には良性のウイルス性疾患であり、脱水を防ぐなどの保存的な治療が中心となる。感染予防のためには、患者のタオルなどを共用しないなどの対策が取られる。発症してから、眼・呼吸器系では7〜14日間、便からは30日間ウイルスが検出されることもある。
 1994 年頃からアデノウイルス7型による咽頭結膜熱の流行がみられているが、同ウイルスによる肺炎などの重症例が報告され、問題となった。近年の報告数は多いものではないものの、依然として検出がみられているので、引き続き注意が必要である。
 本疾患は、今後夏にかけて報告数が増加してくると考えられるので、流行に注意するとともに、プールを介しての流行もあるので、水泳前後のシャワーやプールの水の消毒なども大切である。


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