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第19週ダイジェスト
(5月5日〜11日) |
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をPDF版よりピックアップして掲載しています。 |
発生動向総覧
〈第19週コメント〉5月16日集計分
◆全数報告の感染症
1類感染症:
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報告なし
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2類感染症:
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細菌性赤痢9 例(推定感染地域:国内2 例、インド3 例、インド/ネパール、タイ、タイ/ミャンマー、パキスタン各1 例)、腸チフス1
例(推定感染地域:インド)
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3類感染症:
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腸管出血性大腸菌感染症14 例(うち有症者9 例)
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4類感染症:
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アメーバ赤痢6 例(推定感染地域:国内3 例、インド1 例、不明2 例)、エキノコックス症1 例(多包条虫)、クロイツフェルト・ヤコブ病1
例(孤発性)、ツツガムシ病6 例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1 例(菌検出検体:便.遺伝子型:vanA )
急性ウイルス性肝炎18例
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A 型15 例(推定感染地域:国内14 例[福岡県での集団発生事
例を含む]、不明1 例)
B 型2 例(推定感染経路:性的接触1 例、不明1 例)
E 型1 例(推定感染地域:国内)
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後天性免疫不全症候群8例
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(AIDS 1例、無症候7例)
推定感染経路:性的接触6例(異性間2例、同性間3例、異性間/同性間1例)、静注薬物使用1例、不明1例
推定感染地域:国内6例、不明2例
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梅毒3 例(無症候性3 例)
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◆定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、引き続き過去5 年間の同時期と比較してかなり多く、過去10 年間との比較でも最高の値となっている。都道府県別では大分県(1.3)、福井県(1.0)、島根県(0.9)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し0.20で、過去4
年間の同時期の平均と比較して約2 倍となっている。都道府県別では青森県(0.7)、秋田県(0.7)が多い。A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は増加し、依然として過去10年間との比較では2000
年に次ぐ高値となっている。都道府県別では富山県(3.1)、山形県(2.8)、宮崎県(2.5)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では富山県(4.7)、新潟県(4.2
)が多い。手足口病の定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では宮崎県(2.3)、山口県(2.0)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は微減し、都道府県別では北海道(0.7)、群馬県(0.6)が多い。風疹の定点当たり報告数は微増したが、流行の見られている岡山県(0.7)では3週連続して減少が見られている。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は微増し、都道府県別では鳥取県(0.8)、熊本県(0.8)、山口県(0.7)が多い。麻疹(成人麻疹を除く)は微増し、都道府県別では福島県(0.9)、栃木県(0.9)、鹿児島県(0.7)が依然として多い。成人麻疹の定点当たり報告数は増加し0.06で、都道府県別では静岡県(0.7)、群馬県(0.5)(いずれも集団発生が影響)が多い。
当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。
注目すべき感染症
◆咽頭結膜熱
咽頭結膜熱の定点当たり報告数は例年より多い状態で推移している。過去10年間の当該週と比較すると、本年第16週からは最大の報告数となり、第19週も引き続き高く推移している。大分県、福井県などで報告数が多い。
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図.
過去10 年間の咽頭結膜熱の週別定点当たり報告数
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本疾患はアデノウイルスによる感染症で、発熱、咽頭炎、眼症状を主とする。プールでの感染も見られることからプール熱とも呼ばれる。例年、6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月にピークを形成する夏季の疾患である。学童年齢の罹患が主であるとされているが、感染症発生動向調査での罹患年齢からは、5
歳以下が約6割を占めている。アデノウイルス3 型が主な原因ウイルスであるが、1、4、7型も知られている。感染経路は通常飛沫感染であるが、プールでは結膜からの感染や経口的な感染も考えられている。
症状としては、5〜7日の潜伏期の後に発熱、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、咽頭痛、結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂などの症状があり、それらが3
〜5 日間程度持続する。基本的には良性のウイルス性疾患であり、脱水を防ぐなどの保存的な治療が中心となる。感染予防のためには、患者のタオルなどを共用しないことなどが必要である。発症してから、眼・呼吸器系からは7〜14日間、便からは30日間ウイルスが検出されることもあり、注意が必要である。
1994年頃からアデノウイルス7型による咽頭結膜熱の流行がみられているが、同ウイルスによる肺炎などの重症例が報告され、問題となった。近年の報告数は多くはないが、依然として検出がみられているので、引き続き注意が必要である。
本疾患は今後夏にかけて報告数が増加してくると考えられるので、流行に注意することが必要である。プールを介しての流行もあることから、水泳前後のシャワーやプールの水の消毒なども大切である。
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