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第24週ダイジェスト
(6月9日〜15日)
  • 発生動向総覧 (5月報含む)
  • 注目すべき感染症
 をPDF版よりピックアップして掲載しています。


 発生動向総覧

〈第24週コメント〉6月19日集計分
全数報告の感染症

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢7 例(推定感染地域:国内2例、インド3例、ベトナム2例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症58例(うち有症者32例):最多報告は秋田県、愛知県(ともに7例)

4類感染症:

アメーバ赤痢7例(推定感染地域:国内5例、タイ1例、中国1例)、オウム病1例(推定感染源:インコ)、Q熱 1例(推定感染源:ネコ)、クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性)、ジアルジア症1 例(推定感染地域:インドネシア)、ツツガムシ病5例、デング熱1 例(推定感染地域:ニューカレドニア)、日本紅斑熱1例(徳島県)、梅毒9 例(早期顕症5例、無症候4例)、破傷風1例(66歳)、バンコマイシン耐性腸球菌感染症1 例(菌検出検体:尿、遺伝子型未定)、レジオネラ症2例

急性ウイルス性肝炎3例

B型3例(推定感染経路:性的接触1例、不明2例)

後天性免疫不全症候群11例

(AIDS 6例、無症候5例)
推定感染経路:性的接触8例(異性間3例、同性間5例)、不明3例
推定感染地域:国内5例、エジプト1例、その他国外1例、不明4例

(補)他にツツガムシ病1例の報告があったが、報告基準を満たさず削除予定


定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
 咽頭結膜熱の定点当たり報告数は微増し、過去5 年間の同時期と比較してかなり多く、過去10年間と比較して本年16週以降最高の値で推移している。都道府県別では大分県(2.4)、福井県(1.5)、富山県(1.3 )が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は微減したが、過去5 年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮崎県(4.0)、富山県(3.7)、山口県(3.0)が多い。マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は微減して0.24で、依然として過去4 年間の同時期の平均と比較して約2倍となっている。都道府県別では山形県(1.8)、岡山県(1.2)、岩手県(0.9)が多い。手足口病の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では広島県(5.5 )、山口県(5.2)、宮崎県(4.4)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は微増し、都道府県別では北海道(1.3)、長野県(1.0)が多い。百日咳の定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では依然として栃木県(0.2)が多い。風疹の定点当たり報告数は前週と同値で、都道府県別では依然として岡山県(0.4)が多いが、16週をピークに減少してきている。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では山口県(5.6)、鳥取県(3.6)、大阪府(3.4)が多い。麻疹(成人麻疹を除く)の定点当たり報告数は微減し、都道府県別では栃木県(0.5)、福島 県(0.4)、宮城県(0.3)、宮崎県(0.3)が多い。流行性角結膜炎の定点当たり報告数は微減し1.07 で、都道府県別では愛媛県(2.9)、栃木県(2.3)、高知県(2.3)が多い。無菌性髄膜炎の定点当たり報告数は前週と同値の0.07で、都道府県別では和歌山県(0.9)、福井県(0.7)が多い。成人麻疹の定点当たり報告数は微増して0.04 で、都道府県別では福島県(0.29)、宮城県(0.25)が多い。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。


〈5月コメント〉
◆性感染症について  2003年6月11日集計分

2003年5月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が4.00(男1.76、女2.24)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.92 (男0.39、女0.54)、尖形コンジロームが0.59 (男0.32、女0.27)、淋菌感染症が1.91 (男1.50、女0.41)で、4疾患のうち、男性では性器クラミジア感染症および淋菌感染症、女性では性器クラミジア感染症が多かった(図1)。前月に比べ、いずれも上昇している(グラフ総覧参照)。過去4年間の同時期と比較すると、女性において高く、性器ヘルペスウイルス感染症は平均+2標準偏差(SD)、その他の3疾患は平均+1SDを超えている(図2)

図1.各性感染症が総報告数に占める割合(5月)


 定点当たり報告数を年齢階級別・男女別に比較すると(図3:PDF参照)、いずれの疾患でもピークは20 〜29歳にあったが、性器ヘルペスウイルス感染症では50代以降の高年齢層からの報告も少なくない。淋菌感染症ではいずれの年齢層でも男性の占める割合が高いが、他の3 疾患では若年齢層で女性の報告者数が多い傾向が認められた。(5月の性感染症定点総数は913)
 感染症法が施行された1999 年4 月以降について、若年齢層(15〜29 歳)での各性感染症の定点当たり報告数を月別・男女別に図4(PDF参照)に示した。男性の性器ヘルペスウイルス感染症を除き、いずれも上昇傾向がみられる。
注:本発生動向調査で得られる性感染症患者報告数および解析結果は、現在の定点の構成に基づく制限のもとに解釈される必要がある。詳細はIDWR 週報2000年第46号(10月報)4ページの記載を参照されたい。

◆薬剤耐性菌について 6月11日集計分

5月の基幹定点総数:

466.

5月の定点当たり報告数:

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症3.72 (前月:3.77、前年同月:3.53)
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症1.43(前月:1.17 、前年同月:1.31)
薬剤耐性緑膿菌感染症 0.16 (前月:0.11 、前年同月:0.14 )

年齢階級別:

MRSA 感染症・・・

65歳以上が全体の70%(70 歳以上が61%)を占めている。

 

PRSP 感染症・・・

5歳未満の小児が最も多く、全体の62.5%を占めている。
65歳以上も多く、全体の19.5%を占めている。

薬剤耐性緑膿菌感染症・・・

65 歳以上が全体の51%を占めている。

性 別:(女性を1として算出した男女比)

MRSA 感染症・・・・・・・・・・・・1.8 :1
PRSP 感染症・・・・・・・・・・・・・1.4 :1
薬剤耐性緑膿菌感染症・・・2.3 :1

都道府県別:

MRSA 感染症・・・

富山県(7.80)、山口県(7.67)からの報告が多く、累積でも山口県(38.25 )、富山県(37.20)からの報告が多い。

PRSP 感染症・・・

千葉県(11.44 )、富山県(6.80 )からの報告が多く、累積でも千葉県(37.67 )、富山県(26.40)からの報告が多い。

薬剤耐性緑膿菌感染症・・・

広島県(1.00)、岡山県(0.60)からの報告が多く、累積では広島県(2.33 )、岩手県(1.95 )からの報告が多い。

◆結核サーベイランス月報 6月20日集計分

  5月の新登録患者数は2,773人(男性1,823人、女性950人)で、このうち活動性肺結核患者は2,240 (うち喀痰塗抹陽性者は1,032人)であった。都道府県・政令指定都市別の新登録患者数は、東京都(351 人)、大阪市(178人)、大阪府(大阪市を除く)(177人)、千葉県(千葉市を除く)(124人)、埼玉県(さいたま市を除く)(118人)が多い。
 また、別掲により集計されているマル初者数*は400人、非定型抗酸菌陽性者数は253人であった。


*マル初…結核の感染が強く疑われるが発病はしておらず、発病予防のための内服を行っている者。

 コメントは結核研究所の結核発生動向調査結果報告(http://www.jata.or.jp/tbmr/tbmr.htm)をご覧ください。


  注目すべき感染症

◆咽頭結膜熱

 咽頭結膜熱の定点当たり報告数は例年より多い状態で推移している。第24週でも更に増加しており、過去10 年間のうちでも最大となり、昨年のピークの値をすでに超えている。以前から多かった大分県だけでなく、福井県、富山県、三重県などでも増加し、定点当たり報告数が1.0を超えた。報告された約8割が5歳以下の小児である。
 本年、現在までに咽頭結膜熱から分離されている病原体は、アデノウイルス3型、あるいは2型が主である。また、数は少ないものの7 型も分離されている。本疾患はプールでの感染も見られることから、プール熱とも呼ばれる。例年、6月頃から徐々に増加しはじめ、7 〜8月にピークを形成する夏季の疾患である。

図. 過去10年間の咽頭結膜熱の週別定点当たり報告数

 感染経路は通常飛沫感染であるが、プールでは結膜からの感染や経口的な感染も考えられている。症状としては、5〜7日の潜伏期の後に発熱、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、咽頭痛、結膜充血、眼痛、羞明、流涙、眼脂などの症状があり、それらが3〜5 日間程度持続する。基本的には良性のウイルス性疾患であり、脱水を防ぐなどの保存的な治療が中心となる。感染予防のためには、患者のタオルなどを共用しないことなどが重要である。発症してから、眼・呼吸器系では7〜14日間、便からは30日間ウイルスが検出されることもある。
 1994 年頃からアデノウイルス7 型による咽頭結膜熱の流行がみられているが、同ウイルスによる肺炎などの重症例が報告され、問題となった。近年の報告数は多くはないが、依然として検出がみられているので、引き続き注意が必要である。
 本疾患は今後夏にかけて報告数が増加してくると考えられるので、流行に注意することが必要である。また、プールを介しての流行もあるので、水泳前後のシャワーやプールの水の消毒なども大切である。

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