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第44週ダイジェスト
(2003年10月27日〜11月2日) |
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をPDF版よりピックアップして掲載しています。 |
発生動向総覧
〈第44週コメント〉11月6日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。
1類感染症:
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報告なし
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2類感染症:
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細菌性赤痢 4 例〔推定感染地域:インドネシア2 例、カンボジア1 例、その他1 例(疑似症)〕
腸チフス 1 例(推定感染地域:ネパール)
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3類感染症:
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腸管出血性大腸菌感染症33例(うち有症者23例)
報告の多い都道府県:宮崎県6 例、熊本県4 例
血清型・毒素型:O157 VT2 (9例)、O157 VT1 ・VT2 (8 例)、O26 VT1 (5 例)、その他(11例)
年齢:10歳未満(16例)、10代(4例)、20 代(3 例)、3 0 代(4 例)、40 代(0例)、50 代(1例)、60代(3例)、70歳以上(2例)
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4類感染症:
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アメーバ赤痢4 例(推定感染地域:国内3 例、不明1 例)
急性ウイルス性肝炎2 例 A 型2 例(推定感染地域:ともに国内)
クロイツフェルト・ヤコブ病1 例(孤発性、74 歳)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1 例(73 歳)
後天性免疫不全症候群 4例
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(AIDS 1 例、無症候3 例)
男性/女性:4 例/0 例
推定感染経路:性的接触3 例(異性間1 例、同性間2 例)、不明1 例
推定感染地域:いずれも国内
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ジアルジア症1例(推定感染地域:国内)
ツツガムシ病4 例〔千葉県、兵庫県(2 )、鹿児島県〕
デング熱1 例(推定感染地域:インド)
日本紅斑熱1 例(島根県)
梅毒3 例(早期顕症I 期1 例、無症候2 例)
レジオネラ症2 例(63 歳、79 歳)
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◆定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000
カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ
上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。
小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第29週をピークとし、その後は週により緩急はあるものの減少し続けていたが、第43週から2週続けて増加した。過去10年間の当該
週と比較して第16 週から相変わらず最高の値であり、第44週までの累積定点当たり報告数の過去10年間の平均と比較して、2.8倍を示す大きな流行となっている。都道府県別では、愛媛県
(1.1)、山形県(0.9)、鳥取県(0.8)が多い(「注目すべき感染症」参照)。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34
週から増加傾向が認められており、第44週も増加した。過去 5年間の同時期(前週、当該週、翌週)と比較してやや多く、都道府県別では鳥取県(4.1)、山形県(3.6)、山口県(1.8)が多い(「注目すべき感染症」参照)。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第39
週から緩やかな増加傾向が認められていたが、第43 、44 週では増加が大きくなっている。都道府県別では福井県(14.8 )、佐賀県(10.4)、栃木県(9.4)が多い。
水痘の定点当たり報告数は第41週から増加傾向が認められており、第44 週も増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では福島県(2.8)、山形県(2.6)、新潟県(2.6)、
鳥取県(2.6 )が多い(「注目すべき感染症」参照)。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2 週続けて 増加し、過去5 年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮城県(0.6)、北海道(0.5)、
千葉県(0.5)、宮崎県(0.5)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加して0.36で、都道府県別では高知県(1.8)、山形県(1.3)、長崎県(1.2)が多い。
注目すべき感染症
◆水 痘
水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる感染症で、潜伏期は2 週間程度(10 〜21日)である。発疹は全身性で掻痒を伴い、紅斑、丘疹を経て短時間で水疱となり、その後痂皮化する。治療としては石炭酸亜鉛華リニメント(カチリ)などの外用が行われる。抗ウイルス剤のアシクロビルは、重症水痘、および水痘の重症化が容易に予測される免疫不全者などでは第一選択薬剤となる。
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図.水痘の年別週別発生状況
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インフルエンザと同様に、水痘罹患時にはアスピリンの内服によるライ症候群の危険性があるので、注意を要する。例年、冬季にかけて報告数は増加していくが、本年第44
週では過去と比べて報告数が多くなっている。
◆A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
近年、報告患者数は増加傾向にあるが、これには迅速診断キットの普及による影響もあると思われる。例年患者報告は毎年冬季にかけて徐々に増加していくが、第44週では例年より報告数が多くなっている。年齢群別では4〜6歳の報告が多い。
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図.A群溶血性レンサ球菌感染症の年別週別発生状況
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◆咽頭結膜熱
咽頭結膜熱は、例年に比べて報告数が多く推移してきた。今年の報告のピークは例年通り夏季にあり、第29週をピークに順調に報告数は減っていたが、第43、44週には上昇に転じている。愛媛県、山形県、鳥取県、熊本県、山口県などからの報告が多くなっている。年齢群別では3歳前後の報告が多い。
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図.咽頭結膜熱の年別週別発生状況 |
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