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第48週ダイジェスト
(2003年11月24日〜30日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧

〈第48週コメント〉12月4日集計分
全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。本週の集計は、11月3、4日届け出分も含め新分類にて表記しました。

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 3 例(推定感染地域:国内1 例、マダガスカル1 例、メキシコ1 例) 、腸チフス 2 例(推定感染地域:ペルー1 例、バングラデシュ1 例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 76 例(うち有症者35例)
報告の多い都道府県:京都府19 例、愛媛県16例
血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2(28 例)、O26 VT1(9例)、O157 VT1 (7 例)、その他(32例)
年齢:10歳未満(40例)、10代(4 例)、20代(10例)、30代(10 例)、40代(0例)、50代(3例)、60代(6例)、70歳以上(3例)

4類感染症:

つつが虫病 14 例〔千葉県(2)、東京都、愛知県、広島県、香川県、長崎県、熊本県、宮崎県(4)、鹿児島県(2 )〕、マラリア1例(三日熱.推定感染地域:パプアニューギニア)

5類感染症:

アメーバ赤痢 6 例(推定感染地域:国内3例、タイ/マレーシア1 例、フィリピン1例、不明1例)
ウイルス性肝炎 2例  B型1例(推定感染経路:性的接触)
           C型1例(推定感染経路:不明)
クロイツフェルト・ヤコブ病1 例(孤発性.77歳)
後天性免疫不全症候群 9例(AIDS 4例、無症候5例)
推定感染経路:性的接触 6例(異性間3例、同性間3 例)、不明3例
推定感染地域:国内4 例、タイ2 例、韓国1 例、不明2 例
ジアルジア症1 例(推定感染地域:国内)
梅毒2 例(早期顕症II 期1 例、無症候1例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1例(菌検出検体:術創部排出液.遺伝子型:不明.57 歳)
(補)他に、先天梅毒1 例の報告があったが削除予定。第46週分の報告遅れとして、急性脳炎1例(病原体不明.1歳)の報告があった。

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

小児科定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は未だ低値ではあるが、徐々に増加が認められている(「注目すべき感染症」参照)。都道府県別では山形県(1.0)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第29 週をピークとし、その後減少し続けた後、第43週から再び増加傾向が認められているが、第48 週はわずかながら減少した。過去10 年間の当該週と比較して第16週から最高の値であり、第48 週までの累積定点当たり報告数の過去10 年間の平均と比較して、2.9倍を示す大きな流行となっている。都道府県別では山形県(1.1)、熊本県(0.7)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34 週から増加傾向が認められているが、第48 週は減少した。都道府県別では鳥取県(4.4)、山形県(3.0)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43 週から増加しており、第48 週も増加した。都道府県別では宮崎県(28.9 )、福井県(18.3)、福岡県(16.1)が多い。水痘の定点当たり報告数は第41 週から増加傾向が認められており、第48 週も増加した。過去5 年間の同時期(前週、当該週、翌週)と比較してやや多く、
都道府県別では新潟県(4.7 )、佐賀県(4.6)、熊本県(4.3)が多い。RS ウイルス感染症の報告数は、24 都道府県(0 の報告も含む)から合計101 例であった。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少して0.29 で、都道府県別では岡山県(2.4 )、山形県(1.5 )、香川県(1.4 )が多い。



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

 インフルエンザの定点当たり報告数は第48週では0.06であり、まだ本格的な流行が始まっている状況ではない。しかしながら、第48週には33都道府県の定点医療機関から合計302例の報告があった。これまでに地研などから分離報告のあったインフルエンザウイルスとしては、AH3型が多くを占めており、B型もわずかに認められる(本号病原体情報を参照)。

図.過去10年間のインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

 インフルエンザ様疾患に伴う学級閉鎖の報告では、第48週では福井県で学年閉鎖が1件報告されており、B型インフルエンザが確認されている。また、北海道、山形県、埼玉県、岐阜県、愛知県から各1 件の学級閉鎖が報告されている。
 「インフルエンザのQ &A 」「国内患者発生動向調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」な
どインフルエンザの総合的な情報については、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html

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