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第49週ダイジェスト
(2003年12月1日〜7日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧

〈第49週コメント〉12月11日集計分
全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。本週の集計は、11月3、4日届け出分も含め新分類にて表記しました。

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 4例(推定感染地域:ベトナム3 例、インドネシア1 例)
腸チフス 1例(推定感染地域:不明)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 35例(うち有症者18例)
報告の多い都道府県:京都府12例
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(20例)、O26 VT1(2例)、その他(13例)
年齢:10歳未満(13例)、10代(3例)、20代(6例)、30代(6例)、40代(1例)、50代(3例)、60代(1例)、70歳以上(2例)

4類感染症:

つつが虫病30例(鹿児島県より8例)
日本紅斑熱1例(高知県)
レジオネラ症4例(56歳、62歳、65歳、75歳)
A型肝炎1例(推定感染地域:国内)

5類感染症:

アメーバ赤痢4例(推定感染地域:国内3例、フィリピン1例)
ウイルス性肝炎1例(B型.推定感染経路:性的接触)
クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性.74歳)
後天性免疫不全症候群9例(AIDS 4例、無症候4例、その他1例)
推定感染経路:性的接触8例(異性間5例、同性間2例、異性間/同性間1 例)、静脈薬物使用1例
推定感染地域:国内7例、タイ1例、その他1例
ジアルジア症1例(推定感染地域:国内)
梅毒5 例(早期顕症I 期1例、早期顕症II 期1例、無症候2例、先天梅毒1例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1例(菌検出検体:静脈血.遺伝子型:Van C .72歳)
急性脳炎1例(病原体不明.55歳)
(補)他に、第48週分の報告遅れとして、急性脳炎1 例(病原体不明.5 歳)の報告があった。

定点把握の対象となる4類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

小児科定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は未だ低値ではあるが、徐々に増加が認められている(「注目すべき感染症」参照)。都道府県別では山形県(2.8)が多い。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は第29 週をピークとし、その後減少し続けた後、第43週から再び増加傾向が認められており、第49週も増加した。過去10年間の当該週と比較して第16週から最高の値であり、第48週までの累積定点当たり報告数の過去10年間の平均と比較して2.9 倍を示す大きな流行となっている。都道府県別では山形県(2.3)、岐阜県(1.0)が多い(「注目すべき感染症」参照)。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34週から増加傾向が認められており、第49週も増加した。過去5年間の同時期(前週、当該週、翌週)と比較してやや多く、都道府県別では鳥取県(5.9)、山形県(3.8)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43週から増加しており、第49週も増加した。都道府県別では宮崎県(36.2)、新潟県(23.8)が多い。水痘の定点当たり報告数は第41週から増加しており、第49週も増加した。都道府県別では山形県(5.3)、新潟県(5.1)が多い。RSウイルス感染症の報告数は、26都道府県(0の報告も含む)から合計170例であった。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は大きく増加して0.39で、報告対象疾患となった1999 年4 月以降最高の値である。都道府県別では岡山県(2.2)、山形県(1.7)、秋田県(1.4)が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

 第49 週のインフルエンザの定点当たり報告数は0.16であり、まだ本格的な流行が始まっている状況ではない。全国36都道府県から合計で751例の報告があったが、これは昨シーズン当該週の2,809 例と比べると少ない。山形県は定点当たり報告数が2.8と、他の都道府県と比べて多くなっている。これまでに確認されたインフルエンザウイルスとしては、AH3 型が多くを占めているが、B型も報告されている(本号病原体情報を参照)。

図.過去10年間のインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

 インフルエンザ様疾患に伴う学級閉鎖の報告では、第49週では全国の14施設から報告があり、山形県では学校閉鎖2件、学年閉鎖3件が報告されている。他に学年閉鎖は埼玉県、岐阜県、学級閉鎖は東京都(4件)、群馬県、埼玉県、三重県から報告されている。
 「インフルエンザのQ &A 」「国内患者発生動向調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」「学校欠席者数」などインフルエンザの総合的な情報については、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html

◆咽頭結膜熱

 咽頭結膜熱は例年夏季に流行を迎える。今年は例年よりも報告数が多く推移してきているが、第29週をピークに第42週までは順調に低下した。しかしその後、第43週から再び増加してきており、実際に多くの都道府県で報告数が増加している。年齢別では3〜5歳の報告数が多い。

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