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第4週ダイジェスト
2004年第4週(1月19日〜25日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。本週の集計は、11月3、4日届け出分も含め新分類にて表記しました。


注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

〈第4週コメント〉1月29日集計分

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢4例(推定感染地域:国内1例、インドネシア2例、バングラデシュ1例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症7例(うち有症者6例)
血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2(3例)、O157 VT2(2例)、その他(2例)
年齢:10歳未満(3例)、10代(2例)、20 代(1例)、40代(1例)

4類感染症:

オウム病2例(推定感染源:インコ1例、不明1例)
レジオネラ症1例(87歳)
A型肝炎1例(推定感染地域:国内)

5類感染症:

アメーバ赤痢11例(推定感染地域:国内7 例、カンボジア1 例、アフリカ1 例、不明2 例)

ウイルス性肝炎3例

B型2例(推定感染経路:不明)
C型1例(推定感染経路:針差し事故)

クロイツフェルト・ヤコブ病3例(いずれも孤発性)

後天性免疫不全症候群9例

(AIDS 2 例、無症候7 例)
推定感染経路:性的接触7 例(異性間2 例、同性間5 例)、不明2 例
推定感染地域:国内8 例、不明1 例

梅毒 5例(早期顕症I 期1例、早期顕症II 期1例、晩期顕症1例、無症候2例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例(遺伝子型:ともにVanB 、菌検出検体:ともに糞便)
(補)他に後天性免疫不全症候群1 例、梅毒2 例の報告があったが削除予定。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

インフルエンザ定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では宮城県(50.9)、長野県(44.5)、埼玉県(40.5)が多い(「注目すべき感染症」参照)。
小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2003年第43週から増加傾向が認められていたが、2004年第2週から減少し、第4 週も減少した。しかし、過去5 年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較して未だかなり多く、都道府県別では徳島県(1.1)、和歌山県(0.7)、新潟県(0.6)、島根県(0.6)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2003年第51週をピークとして減少していたが、第3週は増加し、第4週も増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では富山県(4.5)、鳥取県(4.4)、山形県(4.2)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2003年第43週から増加し続けた後、第52 週からは減少していたが、第4週は増加した。都道府県別では山口県(19.9)、愛媛県(18.5)が多い。水痘の定点当たり報告数は2003 年第41 週から増加し、第2週に過去10年間で最高の値となった後、第3週は減少したが、第4週は再び増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では宮崎県(5.8)、新潟県(4.7)、熊本県(4.3)が多い。RS ウイルス感染症の報告数は、37都道府県から合計277例であった。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少して0.22 であるが、過去4 年
間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では山形県(1.1 )が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

2004 年第4 週のインフルエンザの定点当たり報告数は21.4であり、ほとんどの都道府県でインフルエンザの流行が大きくなっている(図1)。全国35の都道府県で定点当たり報告数が10 を超えており、特に宮城県(50.9 )、長野県(44.5)、埼玉県(40.5)、鳥取県(35.8)、愛知県(35.5)、新潟県(34.8 )、静岡県(33.8 )、群馬県(32.0)、千葉県(31.6)、三重県(30.8)、福島県(30.3)などでは30 を超える報告数となっている(図2)。また、インフルエンザ様疾患に伴う休校・学年閉鎖・学級閉鎖の合計は1,170 件に上り、昨年同時期(2,494)よりは少ないものの、急激に増加してきている。これまでに確認されたインフルエンザウイルスは、ほとんどがAH3型である。
「インフルエンザ情報早期把握システム(New )」「インフルエンザのQ&A 」「国内患者発生動向調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」「学校欠席者数」などインフルエンザの総合的な
情報については、以下のURL を参照されたい。

 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html

インフルエンザの流行レベルマップについては、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/inf-keiho/index.html

図1 .過去5 シーズンのインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

図2. 都道府県別インフルエンザ流行状況

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