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第5週ダイジェスト
2004年第5週(1月26日〜2月1日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。本週の集計は、11月3、4日届け出分も含め新分類にて表記しました。



〈第5週コメント〉2月5日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

コレラ2例(推定感染地域:ともにタイ)
パラチフス1例(指定感染地域:中国)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 3 例(うち有症者1例)
血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2(1例)、O111 VT1 (1例)、O91 VT1 (1例)
年齢:20 代(1例)、30代(1例)、50代(1例)

4類感染症:

エキノコックス症4例(いずれも多包条虫)
オウム病1例(推定感染源:インコ)
つつが虫病3例(鹿児島県2例、群馬県1例)
レジオネラ症1例(40歳)
A 型肝炎3例(推定感染地域:国内2例、インド1例)

5類感染症:

アメーバ赤痢5例(推定感染地域:国内3例、不明2例)
ウイルス性肝炎1例(B型_推定感染経路:不明)
劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(70歳.死亡)

後天性免疫不全症候群7例

(AIDS 1例、無症候6例)
推定感染経路:性的接触7例(異性間1 例、同性間6 例)
推定感染地域:国内7例

梅毒6例(早期顕症I 期2例、早期顕症II 期2例、無症候2例)
破傷風1例(42歳)
(補)他に梅毒1 例の報告があったが、削除予定。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

インフルエンザ定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では長野県(60.3)、徳島県(55.0)、鳥取県(53.2)、宮城県(52.8)が多い(「注目すべき感染症」参照)。
小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2003年第43 週から増加傾向が認められていたが、2004 年第2 週から減少しており、第5週も減少した。しかし、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較して未だかなり多く、都道府県別では鳥取県(0.8)、山形県(0.6)、福井県(0.6)、宮崎県(0.6)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34週から増加傾向が認められた後、第51 週をピークに減少したが、第3 週から再び増加し、第5週も増加した。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では富山県(5.2)、鳥取県(3.8)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43 週から増加し続けた後、第51週をピークに減少し、第4週は再び増加したが、第5週は減少した。都道府県別では山口県(19.6)、愛媛県(17.5)が多い。水痘の定点当たり報告数は第41週から増加し、第2週に過去10年間で最高の値となった後、第3週は著減したが、第4週は増加し、第5週は再び減少した。都道府県別では宮崎県(3.7)、福岡県(3.4)が多い。風しんの定点当たり報告数は微増し、都道府県別では、群馬県(0.3)が多い。RSウイルス感染症の報告数は、38都道府県から合計284例であった。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は前週と同値で0.22で、過去4年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では岡山県(1.4)、秋田県(0.9)、高知県(0.9)が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

 第5週のインフルエンザの定点当たり報告数は32.4 であり、ほとんどの都道府県でインフルエンザの流行がさらに大きくなっている。 全国25 の都道府県で定点当たり報告数が30 を超えており、特に長野県(60.3)、徳島県(55.0)、鳥取県(53.2)、宮城県(52.8)などでは50 を超える報告数となっている(図2)
 また、インフルエンザ様疾患に伴う休校・学年閉鎖・学級閉鎖の合計は2,151件に上り、昨年同時期(2,928 )よりは少ないものの急激に増加してきている。これまでに確認されたインフルエンザウイルスは、ほとんどがAH3型である。
 「インフルエンザ情報早期把握システム(New )」「インフルエンザのQ&A 」「国内患者発生動向調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」「学校欠席者数」などインフルエンザの総合的な情報については、以下のURL を参照されたい。

 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html

インフルエンザの流行レベルマップについては、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/inf-keiho/index.html

図1 .過去5シーズンのインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

図2. 都道府県別インフルエンザ流行状況

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