HTMLトップページへ戻る

第8週ダイジェスト
2004年第8週(2月16日〜2月22日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。


〈第8週コメント〉2月26日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 7例(推定感染地域:インド3 例、インドネシア3 例、ベトナム1 例)
パラチフス 1例(推定感染地域:カンボジア)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症 3例(いずれも有症者)
 血清型・毒素型:O157 VT1 ・VT2 (2例)、その他(1例)
 年齢:10 歳未満(2例)、40代(1 例)

4類感染症:

コクシジオイデス症 1例〔推定感染地域:米国(アリゾナ州)〕
つつが虫病 3例(東京都、静岡県、鹿児島県)
レジオネラ症 2 例(71歳、81歳)
A型肝炎 4例(推定感染地域:国内3 例、フィリピン1例)

5類感染症:

アメーバ赤痢 4例(推定感染地域:国内3例、不明1例)
ウイルス性肝炎2例(ともに、B型_推定感染経路:性的接触)
クロイツフェルト・ヤコブ病 1例(孤発性)

後天性免疫不全症候群 11例

(無症候10例、AIDS 1例)
推定感染経路:性的接触9例(異性間4例、同性間5 例)、不明2例
推定感染地域:国内8例、その他1例、不明2例

ジアルジア症 2例(推定感染地域:国内1例、ミャンマー1例)
髄膜炎菌性髄膜炎 1例(56歳)
梅毒 3例(早期顕症I 期1 例、早期顕症II 期1 例、晩期顕症1 例)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1例(遺伝子型:VanC .菌検出検体:胆汁)
 (補)他に、ウイルス性肝炎1 例の報告があったが削除予定。また、報告遅れとして急性脳炎2例[第 4週分(病原体不明.43歳)、第7週分(病原体不明.11歳)]の報告があった。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

インフルエンザ定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は第5週をピークに減少し 始め、第8 週も減少した。都道府県別では宮崎県(46.8)、大分県(42.7)が多い(「注目すべき感染症」参照)。

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2003年第43週から増加傾向が認めら れ、2004 年第2週から減少を続けた後、第6週は増加、第7週は減少し、第8週は再び増加した。 過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(0.8)、 岐阜県(0.6)、徳島県(0.6)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は第34週から増加傾向が認められた後、第51週をピークに減少したが、第3週から再び増加傾向が認 められ、第8週も増加した。過去10 年間で最高の値となっており、都道府県別では富山県(6.6)、 山形県(5.1)、新潟県(5.0)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43週から増加し続 けた後、第51週をピークに減少傾向が認められていたが、第8週は増加した。都道府県別では 山口県(18.4 )、宮崎県(16.2)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期 と比較してやや多く、都道府県別では宮崎県(4.4)、福岡県(4.1)、鹿児島県(4.0)が多い。風しんの定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では鹿 児島県(0.5)、群馬県(0.3)が多い。RS ウイルス感染症の報告数は、37 都道府県から合計157例 であった。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少して0.18 で、都道府県別では青森県(0.8 )が多い。

過去1年間の動き(グラフ)



 注目すべき感染症

◆インフルエンザ

 第8週のインフルエンザの定点当たり報告数は15.9である。第5〜6週にかけて最も報告数が 増加し、第7週からは減少し、第8週ではさらに減少した。ピーク時の定点当たり報告数は昨シー ズンより若干少ないものの、30を超えていた。第8週には、山口県、高知県を除くすべての都道 府県で報告数は前週より減少した。 また、インフルエンザ様疾患に伴う2月15〜21日での休校・学年閉鎖・学級閉鎖の合計は504件で、昨年同時期(958)より少なくなっている。 これまでに確認されたインフルエンザウイルスは、多くがAH3型である。 「インフルエンザ情報早期把握システム(New )」「インフルエンザのQ&A 」「国内患者発生動向調査」「ウイルス分離状況」「抗体保有状況」「学校欠席者数」などインフルエンザの総合的な 情報については、以下のURL を参照されたい。
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/newpage2.html
 ○http://idsc.nih.go.jp/others/topics/inf-keiho/index.html

図1 .過去5シーズンのインフルエンザシーズン毎のトレンドグラフ

図2. 都道府県別インフルエンザ流行状況

   発生動向総覧トップページへ戻る

   IDWRトップページへ戻る

 

 

 

PDF版ダウンロードはこちらから