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第13週ダイジェスト
2004年第13週(3月22日〜3月28日)

・発生動向総覧
・注目すべき感染症

 をPDF版よりピックアップして掲載しています。

 発生動向総覧


全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。


〈第13週コメント〉4月2日集計分

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。

1類感染症:

報告なし

2類感染症:

細菌性赤痢 9例(推定感染地域:国内1例、インド6例、インドネシア1例、不明1例)
腸チフス1例(推定感染地域:インド)
パラチフス3例(推定感染地域:中国1例、インドネシア1例、カンボジア/タイ1例)

3類感染症:

腸管出血性大腸菌感染症17例(うち有症者10例)
血清型・毒素型:O157 VT1・VT2(5例)、O157 VT2(3例)、O157 VT1(1例)、O26 VT1 (1例)、O128 VT1・VT2(1例)、その他(6例)
年齢:10歳未満(5例)、10代(1例)、20代(5例)、40代(2例)、50代(3例)、70代(1例)

4類感染症:

つつが虫病 2例(宮崎県1例、鹿児島県1例)
マラリア 1例(三日熱が主体で、熱帯熱も混合感染_推定感染地域:バヌアツ)
ライム病 1例(推定感染地域:国内)
A型肝炎 3例(推定感染地域:国内2例、不明1例)

5類感染症:

アメーバ赤痢 7例(推定感染地域:国内4例、台湾1例、パキスタン1例、不明1例)

ウイルス性肝炎 2例

B型1例(推定感染経路:不明)
EBウイルス1例

クロイツフェルト・ヤコブ病 3例(いずれも孤発性)

後天性免疫不全症候群 4例

(無症候3例、AIDS 1例)
推定感染経路:いずれも同性間性的接触
推定感染地域:いずれも国内例

梅毒 4例(早期顕症I期1例、早期顕症II期2例、無症候1例)
(補)10週分の報告遅れとして急性脳炎(病原体:ヘルペスウイルス.71歳)の報告があった。

定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

過去5年間との比 CPEGグラフ

当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。

インフルエンザ定点報告疾患:インフルエンザの定点当たり報告数は第5週をピークに減少し、 第13週も減少した。都道府県別では大分県(5.7)、北海道(3.4)、福井県(3.4)、山口県(3.2) が多い。

小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、夏季の流行の後、2003年第43週から再び増加傾向が認められ、第52週をピークに減少した。2004年第3週からはほぼ横ばいで推 移した後、第11週は増加、第12週は減少し、第13週は増加した。過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(1.3)、富山県(1.1)、鳥取県(1.0)が 多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2003年第51週をピークに減少した が、第3週から再び増加傾向が認められた。第8週からは過去10年間で最高の値を更新し続け たが、第11週をピークに減少し、第13週も減少した。都道府県別では新潟県(7.4)、富山県(5.9)、 山形県(5.4)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と 比較してやや多く、都道府県別では大分県(17.7)、佐賀県(16.5)、福井県(15.9)が多い。水痘 の定点当たり報告数は第2週に過去10年間で最高の値となった後減少し、第5週からは週により 増減はあるがほぼ横ばいで推移している。過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では鹿児島県(4.8)、宮崎県(4.5)、佐賀県(4.2)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は 第9週から緩やかに増加しており、第13週も増加した。都道府県別では新潟県(1.7)、山形県 (1.2)が多い。風しんの定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、 都道府県別では群馬県(0.6)、鹿児島県(0.5)、大分県(0.4)が多い(「注目すべき感染症」参照)。 RSウイルス感染症の報告数は35都道府県から合計76例であった。

基幹定点報告疾患: マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少して0.14で、都道府県別では岡山県(0.8)、山形県(0.7)、茨城県(0.7)が多い。

過去1年間の動き(グラフ)


 注目すべき感染症

◆ 風 疹

 2003年9月まで風しん予防接種の経過措置のキャンペーンなども行われており、ここ数年、小 児科定点から報告される全国の風しん患者数は、以前よりかなり少なく推移している。しかし ながら、本年の定点当たり報告数を都道府県別にみると、群馬県、大分県、鹿児島県など報 告数の多い都道府県もあり、第12週では宮城県で、第13週では埼玉県でも報告が増加してき ている(図)

図.風しんの週別報告数(2003年第13週〜2004年第13週)

 これらの増加に伴って全国値も増加してきており、第13週の定点当たり報告数は、 感染症法施行(1999年4月)以降の最高値である。また、患者の年齢群を比較してみると、本年 は昨年に比べて、学童期や20歳以上の割合が非常に多くなっている。これらの報告は小児科 定点からの報告であるので、成人の風しんがより多い可能性もあり、予断を許さない。 風しんはワクチンで予防できる疾患であり、経過措置終了後の現在も、定期接種の対象者だ けでなく、当時の経過措置の対象年齢層を中心に、免疫のない人達への任意接種の普及啓発 が大切である。また、今年に入ってこれまでに2例の報告があった「先天性風しん症候群」の予 防のためには、小児科ばかりでなく、特に妊婦や妊娠年齢の女性の管理を行う産科や婦人科 においても、地域での風しんの流行状況などに細心の注意を払っていく必要がある。

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