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第21号ダイジェスト
2004年第21週(5月17日〜23日)
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・発生動向総覧
・注目すべき感染症
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をPDF版よりピックアップして掲載しています。 |
発生動向総覧
◆全数報告の感染症
*「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の改正(11月5日施行)により、対象疾患、分類が一部変更されました(第43号「速報」参照)。
〈第21週コメント〉5月27日集計分
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が、集計の期日以降に届くこともあります。それらについては、発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。宜しく御理解下さい。
1類感染症:
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報告なし
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2類感染症:
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コレラ 1例(推定感染地域:インド)
細菌性赤痢 13例(推定感染地域:国内3例、インド2例、インドネシア2例、ネパール1例、カンボジア1例、 フィリピン1例、スリランカ1例、タイ1例、パキスタン1例)
パラチフス 2例(推定感染地域:ともにネパール)
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3類感染症:
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腸管出血性大腸菌感染症 47例(うち有症者34例)
報告の多い都道府県:岡山県(9例)、兵庫県(8例)
血清型・毒素型:O157 VT2(17例)、O157 VT1・VT2(16例)、O26 VT1(9例)、O157 VT1(1例)、O115
VT1(1例)、O119 VT1・VT2(1例)、その他(2例)
年齢:10歳未満(16例)、10代(7例)、20代(4例)、30代(7例)、40代(6例)、50代(3例)、60代(2例)、70
歳以上(2例)
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4類感染症:
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エキノコックス症 1例(多包条虫)
オウム病 3例(推定感染源:インコ2例、烏骨鶏1例)
つつが虫病 4例(秋田県、福島県、岐阜県、広島県)
A型肝炎 2例(推定感染地域:国内1例、韓国1例)
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5類感染症:
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アメーバ赤痢 4例(推定感染地域:国内3例、不明1例)
ウイルス性肝炎 6例
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B型5例(推定感染経路:性的接触4例、不明1例)
C型1例(推定感染経路:不明)
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クロイツフェルト・ヤコブ病 2例(ともに孤発性)
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後天性免疫不全症候群 14例
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(無症候10例、AIDS 2例、その他2例)
推定感染経路:性的接触13例(異性間4例、同性間8例、異性間/同性間1例)、不明1例
推定感染地域:国内11例、オーストラリア1例、不明2例例
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ジアルジア症 1例(推定感染地域:国内)
梅毒 3例(早期顕症I期1例、早期顕症II期1例、無症候1例)
破傷風 1例(70歳)
バンコマイシン耐性腸球菌感染症 1例(遺伝子型:VanB_菌検出検体:便)
急性脳炎 2例〔ムンプスウイルス(71歳)、病原体不明(30歳)〕
(補)他に、劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例の報告があったが、削除予定。
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◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
当該週と過去5年間の平均(過去5年間の前週、当該週、後週の合計15週の平均)の比を対数にてグラフ上に表現した。1標準偏差を超えた場 合黄で、2標準偏差を超えた場合赤で色分けしている。
小児科定点報告疾患:咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、都道府県別では宮崎県(1.6)、石川県(1.5)、福井県(1.1) が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は微増し、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では山形県(5.6)、新潟県(4.0)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してやや多く、都道府県別では鳥取県(10.6)、宮崎県(10.5)、大分県(10.2)が多い。手足口病の定点当たり報告数は微増し、都道府 県別では兵庫県(1.6)、沖縄県(1.5)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は増加し、都道府県別では新潟県(1.6)が多い。風しんの定点当たり報告数は微減したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多く、都道府県別では栃木県(0.6)、群馬県(0.4)、大分県(0.3)、鹿児島県(0.3)、沖縄県(0.3)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加し、都道府県別では愛媛県(3.3)、石川県(2.7)が多い。麻しんの定点当たり報告数は前週と同値であるが、都道府県別では徳島県(0.3)、栃木県(0.2)が多い(「注目すべき感染症」参照)。RSウイルス感染症の報告数は、28都道府県から合計15例であった。
眼科定点報告疾患:流行性角結膜炎の定点当たり報告数は第3週からほぼ横ばいで推移しているが、都道府県別では沖縄県(11.1)が非常に多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と 比較してやや多く、都道府県別では新潟県(1.2)、山形県(0.9)、青森県(0.8)が多い。
注目すべき感染症
◆ 麻しん
小児における麻しんの発生動向は、感染症法に基づき、全国約3,000カ所の小児科定点医 療機関から毎週報告される患者数によって把握されている。本年第21週までの報告数は、過 去に比してかなり少なく推移している(図)。2000〜2003年における麻しんの定点当たり報告数は、いずれの年も第17〜19週をピークとした流行パターンを示しているので、本年の患者発生 はかなり少なくなることが期待される。
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図.麻しんの週別発生状況−過去5年間との比較
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これは、1歳の誕生日を過ぎた小児に、できるだけ早期に
麻しんの予防接種を行う全国的な動きがもたらした結果の可能性がある。報告された患者の
年齢群では、1歳の占める割合は2000年24%から2003年19%に、2歳は2000年11%から2003年
7%に少なくなっている。 しかし、集団発生や地域的な小流行に関する情報も伝えられている。集団発生は保育園や小学校のみならず、中学校、高校、大学、さらに職場など成人集団においても認められている。 また、本年第19週には五類感染症の急性脳炎として、麻しんに合併した成人女性の死亡も報 告されており、決して予断を許さない。 2003年11月28日、厚生労働省は麻しん予防接種の標準接種年齢について、「生後12月から生後24月」であったものを「生後12月から15月」に変更した(2004年1月1日から実施)。わが国にお ける麻しんの制圧に向け、1歳早期での接種の徹底が望まれる。
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