|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ブタの日本脳炎HI抗体保有状況調査 −2009年速報第1報− |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日本脳炎は,日本脳炎ウイルスに感染したヒトのうち数百人に一人が発症すると考えられている重篤な脳炎である1)。ヒトへの感染は日本脳炎ウイルスを媒介する蚊(日本では主にコガタアカイエカ)が日本脳炎ウイルスに感染したブタを吸血し,その後ヒトを刺すことにより発生する。 感染症流行予測調査事業では,全国各地のブタ血清中の日本脳炎ウイルスに対する抗体を赤血球凝集抑制法(HI法)を用いて測定することにより,間接的に日本脳炎ウイルスの蔓延状況および活動状況を調査している。前年の秋以降に生まれたブタが日本脳炎ウイルスに対する抗体を保有し,さらに2-メルカプトエタノール(2-ME)感受性抗体(IgM抗体)を保有している場合,そのブタは最近日本脳炎ウイルスに感染したと考えられる。 1960年代までは,毎年夏から秋にかけて多数の日本脳炎患者が発生しており2),3),ブタの抗体保有状況から日本脳炎ウイルスが蔓延している地域に多くの患者発生がみられた。Konnoらは,当時調査したブタの半数以上が日本脳炎ウイルスに感染していると,約2週間後からその地域に日本脳炎患者が発生してくると報告している4)。現在では,日本脳炎ワクチン接種の普及や生活環境の変化等により,ブタの感染状況と患者発生は必ずしも一致していない。近年における日本脳炎患者報告数は毎年数名程度であるが,ブタの抗体保有状況から日本脳炎ウイルスが蔓延あるいは活動していると推測される地域では,ヒトへの感染の危険性が高くなっていると考えられる。 本速報は,日本脳炎ウイルスの感染に対する注意を喚起するものである。また,それぞれの居住地域における日本脳炎に関する情報にも注意し,日本脳炎ウイルスが蔓延あるいは活動していると推測される地域においては,予防接種を受けていない人,乳幼児,高齢者は蚊に刺されないようにするなど注意が必要である。なお,日本脳炎に関するQ&Aについては以下のサイトから閲覧可能である。[ http://idsc.nih.go.jp/disease/JEncephalitis/QAJE.html ] |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|