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WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ−ベトナムとカンボジアにおける状況−更新12

    2005年3月29日 WHO(抄訳/原文


ベトナム

ベトナム保健省は、H5N1亜型鳥インフルエンザのヒト感染症例をさらに3例確認した。症例は中部カンビン省(Quang Binh Province)の5歳の男の子、北部ナムディン省(Nam Dinh Province)の17歳の少女、および北部カンニン省(Quanh Ninh Province)の40歳の女性である。17歳の少女は死亡している。

さらに以前の症例も確認された。これらの最近確認された症例により、2004年12月中旬以来ベトナムでの症例は計28例になる。

WHOは、北部の港町ハイフォン(Haiphong)において現在入院している同一家族の5人においてH5鳥インフルエンザ感染が疑われているという報告を承知している。これらの症例は両親と3人の若年の娘であるが、H5亜型鳥インフルエンザ感染を示唆する初期の検査に引き続きさらに調査が行なわれている。報告によると、その地域の家禽において鳥インフルエンザ集団発生が示唆されている。この家族内小集積事例の実地調査が現在行なわれている。

ベトナムで現在起こっているヒト症例のアウトブレイクは、時間的および空間的に密接に関連した主に家族内の小集積事例をいくつか含んでいる。ウイルスの挙動が変化しているかどうかを判定し、インフルエンザの世界的大流行のリスク評価を支援するために、それらの小集積事例を徹底的に調査することが必須である。

現在、H5N1ウイルスがヒトからヒトへ容易に広がりつつあるという証拠は何もない。最近の小集積事例から得られたウイルスをWHOと迅速に共有することがますます重要になってきている。それらを分析することにより、ウイルスに有意な変化が起こっていないかどうかを判定し、リスク評価をより一層支援することができる。

いくつかの報道機関によって最近、カンビン省(Quang Binh Province)でのインフルエンザ様疾患の大規模な集団発生の噂が報じられている。この集団発生は目下、省と国の健康当局により調査されている。検査検体は採取され、WHOはその結果を待っている。インフルエンザ様疾患の症例数は当初報道機関により報じられたよりずっと小さいと思われる。

カンボジア

カンボジア保健省は本日、同国で2人目の鳥インフルエンザヒト感染症例を確認した。

カンポット省(Kampot Province)の28歳男性が、3月17日に発症し21日にプノンペンの病院に入院した。男性は22日に死亡した。同じ日に、プノンペンのパストゥール研究所による実験室検査によりこの男性がH5鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認された。カンボジア政府は直ちに、更なる症例の可能性を探索し、ウイルスへの曝露源の可能性を同定するための調査を開始した。調査チームはカンポット省で活動を継続しているが、カンボジアの保健省・農業省、およびWHOカンボジアオフィスとプノンペンのパストゥール研究所のスタッフによる合同チームである。FAO(国連食糧農業機関)は動物の疾患に関する調査を支援している。その地域でニワトリが多数死亡していることが報告され、弱ったニワトリから採取された検体の検査は鳥インフルエンザ陽性であった。調査結果によると、死亡した男性は病鳥との接触があったことが示唆されている。もう1人の疑い症例として当初検知された18歳の少年は、検査により鳥インフルエンザウイルス陰性であった。確定症例の家族内接触者とこの患者のケアに関与したプノンペンの医療従事者を含む27人から採取された検体は、すべてH5鳥インフルエンザ感染陰性であった。カンポット省の6人からさらに採取された検体もH5インフルエンザウイルス陰性であった。

カンボジアでの以前の症例である1月下旬に死亡した25歳女性もカンポット省の住人であるが、別の地域に住んでいた。

カンボジアの家禽の大部分は地方の小さな裏庭で群れとして飼育されており、集団発生のサーベイランスを著しく困難にしている。死亡した、あるいは病気の家禽に接触することの危険性を地方の人々に教育する活動が、WHOの援助を受けて政府により行われている。

(2005/4/1 IDSC 掲載)

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