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高病原性鳥インフルエンザ

WHO 更新情報
  鳥インフルエンザ:イラクにおける状況−更新

    2006年2月2日 WHO(原文


イラクで初めてのH5N1亜型鳥インフルエンザのヒト感染症例から採取された検体は、イギリスにあるWHO協力研究施設で検査された。症例は同国北部在住の15歳の女児で、重症呼吸器疾患で1月17日に死亡している。検査により女児の感染が確認された。

1月27日に死亡したこの女児の39歳の叔父と、呼吸器疾患で治療を受けている54歳の女性から採取された検体は、イギリスの研究施設に送付されているが、まだ到着していない。

イラク保健省の要請に応じて、国際的専門家からなるWHO・FAO・OIEの合同チームがイラクに派遣された。疫学者と動物の疾患の専門家からなる小規模の先発隊は、北部イラクのSulaimaniyah地区の状況を迅速に評価する。治安の問題から、チームは来週初頭まではその地域に到着しないと思われる。

現在、さらに2人がH5N1亜型感染を疑わせる症状を呈しており、Sulaimaniyah地区で治療のため入院している。保健当局職員はWHOスタッフの支援を得て、集団発生に対応し噂の調査をし大衆の心配に対応するための緊急オペレーション室を立ち上げた。

イラクの他の地域におけるヒト症例の可能性に関する噂は体系的に追跡されている。現在のところ、そのような噂からの症例は確認されていない。

イラクのヒト初発例の検知は、家禽における鳥インフルエンザの確認された集団発生がないにもかかわらず発生した。この症例が発見されたことは、地域の臨床医が鳥インフルエンザの臨床的特徴に関する自覚に関してレベルが高いことと、十分に警戒していることを示している。このことはまた、イラク北部あるいは他の所での鳥の集団発生の程度に関する調査が緊急に必要であることを指摘している。獣医学的専門性を持ったチーム構成員が動物の健康に関する問題を評価し、家禽における鳥インフルエンザの広がりを制御するための努力に関して政府を支援するであろう。

他の国における高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザの家禽での集団発生の経験は、検知と制御対策が遅れた場合、このウイルスがどれほど速やかに家禽集団の中で定着し広く拡散しうるかを示してきた。北部イラクでは家禽の殺処分が行なわれており、多数の鳥がすでに殺処分された。

WHOが率いるチームは現在、この地域の9カ国(アルメニア、アゼルバイジャン、エジプト、グルジア、イラン、レバノン、モルドバ、シリア、ウクライナ)において現地評価を行なっているかまたは完了しつつある。

(2006/2/3 IDSC 掲載)

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