国立感染症研究所 感染症情報センター
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ブタ由来インフルエンザA(H1N1)ウイルス感染における高次教育機関への勧告
2009年5月1日午前1時30分(アメリカ東部時間)更新原文

CDCは複数の州においてH1N1インフルエンザウイルスの感染者を確認している。CDCは地域や州の保健機関と協力しこれらの調査を行っている。

同じウイルスがメキシコ、アメリカ合衆国、カナダや他の国の人々に確認されている。ブタ由来インフルエンザA(H1N1)の症状は発熱、頭痛、呼吸器系の症状(咳、喉の痛み、鼻水)、筋肉痛、だるさ、嘔吐または下痢などを含んでいる。ブタ由来インフルエンザA(H1N1)ウイルスに感染した人のほとんどは自宅での治療で回復しているが、中には入院した人もあれば、死亡者も報告されている。今後入院や死亡に至る人を含めて感染者が増えることが懸念されている。ほとんどの人がこのウイルスに免疫がないため、これが広がると今後数日や数週間のうちに感染者数は増えることが予想される。

CDCは緊急措置を行っている。その目的は感染拡大を防ぐこと、症状の悪化を防ぐこと、そして医療関係者や公衆衛生関係者そして一般市民がこの新たなウイルスに立ち向かうための情報を提供することにある。世界保健機関(WHO)は世界的なパンデミックの警戒レベルを上げた。この動きを受けて、CDCは州や地方自治体、団体や個人がそれぞれの緊急対応策や対応能力を精査しておくことを推奨している。

高等教育機関に対して、CDCは次のことを推奨する:
○あなたの学校の公衆衛生上の危機管理対策を確認し、それらが最新のものであるようにしておくこと。

○軽度あるいは重度の感染症のアウトブレークの際に高等教育機関に対して、地域や州がどのような対応策を持っているかを確認する。これらの情報は州や地域の保健当局のウェブサイトなどから入手できると思われる。

○学生の中でインフルエンザに似た症状(熱や喉の痛みと咳の症状)を持った生徒を追跡し(地域の保健当局に)報告するシステムを検討し導入するよう、大学内の保健センターに提案する。

○インフルエンザに似た症状を持った人はかかりつけ医に相談し、その教育機関は地域あるいは州の保健局とブタ由来インフルエンザA(H1N1)に感染した人の特定方法や感染拡大阻止の手段について相談すること。

○高等教育機関は生徒や職員に対する日常の感染予防策を推進すること:1)咳やくしゃみの際はティッシュで鼻と口を塞ぐこと2)使用済みのティッシュは捨てること3)特にせきやくしゃみをした後の手はよく石けんと水であらうこと。アルコールの消毒液も効果的4)病気の人との接触を避ける5)目、鼻、口に触れることを避ける。ウイルスはここから広がる6)インフルエンザに似た症状が起きた場合、病院で治療を受ける以外は、会社や学校などを休んで自宅に止まり、他人との接触を避けてうつさないようにする。

CDCのウェブサイトの掲載事項を確認するとともに、地域や州の保健局のサイトを見て大学の閉鎖の可能性に関するアドバイスに従う。

○なにか質問や感染の疑いがもたれる症例がある場合、地元の保健局に問い合わせること。

高等教育機関においては、日常の感染予防策を喚起することで職員や生徒の健康を守り、インフルエンザの拡大を防ぐことができる。(このメモに付随しているインフルエンザの拡大を防ぐための毎日の行動を、学生寮を含めたキャンパス内の各場所で掲載や配布することを検討してください。)

必要に応じて、パンデミックが宣言された場合にはインフルエンザの拡大を防ぐためのCDCのガイドラインと勧告を参照し実施すること(大学に対するパンデミックインフルエンザの市中での緩和に関する暫定的プランの付録7を参照)

(2009/5/6 IDSC更新)


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