保育所における水痘に伴った劇症型A群レンサ球菌感染症の集団発生、1997年−米国・マサチューセッツ州ボストン
1997年2月ボストンで保育所の同じクラスの14人中2人に水痘に伴う劇症型A群レンサ球菌感染症が発生した。調査によりこれらのうち新たに3例の溶連菌性咽頭炎、2例の保菌者が発見された。分離3株中2株の血清型は患者と同じM1、T1型であった。これらに加えて2例の溶連菌感染症疑診例が発見された。他クラス25例中1例で同じ血清型による猩紅熱患者、1例の別の血清型保菌者が見つかった。保護者92名から3例の溶連菌性咽頭炎と2例の保菌者が発見された。保育所職員13名から別の血清型保菌者が見つかった。
病原体が確認された9例と疑診例はすべて水痘に伴っていた。このクラスにおける水痘の集団発生は1月15日に始まり、同じクラスの14例中12例は水痘に対する免疫がなく、最初の水痘例が発症した後10例が水痘を発症した。うち7例が水痘発症後3〜14日目に溶連菌感染症が確認された。これらにより、水痘ワクチンの接種が推奨され、水痘に免疫のないすべての子供とスタッフ、保護者に無料で提供された。また溶連菌感染症の拡大を防止するため、保菌者と全クラスメートに抗生剤予防投与が推奨された。
(CDC、MMWR、46、No.40、944、1997)