<速報>コクサッキーウイルスB3型の小豆島地区の限局流行一香川県

1997年6月〜8月に小豆島地区全域(内海町、池田町、土庄町)においてコクサッキーウイルスB3型(CB3)による限局流行を認めた。

1997年、県下のエンテロウイルスの流行状況は、4月11日採取の急性咽頭気管支炎患者からCB3を初分離以降、CB3の 188株を主流として、CB2(4月22日〜6月20日)16株、エコーウイルス7型が4株、CB5が1株と、4血清型が混在した状況であったが、小豆島地区は、6月4日、カゼ症候群患者よりCB3を分離以降、6月患者数53名、分離数54株、7月58名、64株、8月3名、3株、総数114名、121株とCB3の単独血清型の流行となった。

疾患別患者数は、カゼ症候群85名(75%)、無菌性髄膜炎21名(18%)、肺炎、不明熱各2名(1.8%)、咽頭結膜熱、脳炎、流行性筋痛症、発疹症各1名(0.9%)と呼吸器系疾患が大部分を占めた。月別状況は、6月はカゼ症候群患者が49名(93%)と高率であったが、7月はカゼ症候群34名(59%)、無菌性髄膜炎21名(36%)と無菌性髄膜炎患者が増加した。

年齢別分離状況は0〜13歳で、6月は2歳14名(26%)、1歳13名(25%)と1〜2歳が約半数を占めたが、7月は5歳10名(17%)、4歳7名(12%)と年齢層は高くなった。また、無菌性髄膜炎患者もこの年齢層に多くみられた。

現在の小豆島地区の状況は、8月15日カゼ症候群患者からの分離が最終となったが、その他の地区ではまだ散発的に流行している。今回のウイルス分離に使用した細胞はFL、HEL、RD-18Sで、FL、HELで高い感染価が得られた。

香川県衛生研究所
三木一男 山中康代 亀山妙子 山西重機

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