第1期、第2期梅毒、1997年−米国

急性期(第1期、第2期)梅毒は、皮膚および粘膜の病巣で特徴づけられる。梅毒はHIV伝搬を増強することから、その予防はHIVコントロールの観点からも重要である。合衆国全域で梅毒が、1991年以降減少を続けている疫学的事実を検討するため、CDCは迅速な確定診断の比較的容易な急性期梅毒について、1997年のデータ解析を行った。

その結果、1990年に対して1997年には事例数で84%の減少が判明した。対人口10万の事例数は合衆国平均で3.2、南部は6.6、中西部は2.0、北東部は1.1、西部は1.0であった。人種/民族別の対人口10万の事例数は黒人22.0、ヒスパニック1.6、非ヒスパニック白人0.5であった。各人種、性別で事例数の最も多い年齢層は、ヒスパニック女性で15〜19歳(対人口10万当たり2.7)、黒人女性で20〜24歳(同47.9)、非ヒスパニック白人女性で25〜39歳(同1.2)、ヒスパニック男性で25〜29歳(同5.5)、黒人男性で35〜39歳(同50.6)、非ヒスパニック白人男性で35〜39歳(同1.2)。全体として、少なくとも1993年以降は例外なく全州、すべての人種/民族で急性期梅毒の事例が減少している。

1941年の報告開始以来、合衆国の急性期梅毒事例数は最低のレベルまで低下した。少なくとも4つの因子が梅毒減少につながっていると考えられている。第1に、1980年代半ばの流行後、州、連邦機関が梅毒コントロールのために予算計上を増やしたこと。第2に同時期に種々のHIV予防活動が合衆国全体で実行されたこと。第3にコカイン、クラック使用の減少。第4に流行後、リスク集団内で、ある程度免疫が獲得されたこと。事例数の少ない時期にこそ、各方面の協力によって梅毒の国内伝搬の根絶に結びつけられると期待される。

(CDC、MMWR、47、 No.24、 493、1998)

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