<速報> 無菌性髄膜炎患者からのエコーウイルス30型の分離−石川県

1998年5月19日以降、2定点病院より無菌性髄膜炎患者からのウイルス分離検査依頼が続いており、7月17日現在で受付検体数は26検体となった。

検体は各患者1検体で、いずれも発病後2日以内に採取された髄液であった。ウイルス分離にはRD-18S、Vero、MDCKなどの細胞を用いたが、現在までに検査を終えた23検体のうちRD-18S細胞で14検体(61%)からエコーウイルス30型(E30)が分離された。また、その他の細胞では現在検査中のものも含め、どのようなウイルスも分離されてはいない。RD-18S細胞では、検体接種後3日目頃から明らかな CPEがみられ、また分離株は抗血清による中和試験で容易に同定できた。

患者は金沢市とその周辺に住む0〜13歳で、37.1〜39.5℃の発熱を呈し、うち1人は髄膜炎症状に加え、上気道炎および胃腸炎症状を伴っていた。

また、E30は最近小児科外来のかぜ患者の咽頭ぬぐい液からも分離されている。

なお、石川県でのE30は、1991年の流行以降分離されておらず、今後の動向が注目される。

石川県保健環境センター 尾西 一 大矢英紀 川島栄吉 庄田丈夫

今月の表紙へ戻る


IASRのホームページに戻る
Return to the IASR HomePage(English)

idsc-query@nih.go.jp

ホームへ戻る