<速報> エコーウイルス30型による無菌性髄膜炎の流行−香川県

1997年は、流行の主流であったコクサッキーウイルスB3型の流行末期の8月16日に無菌性髄膜炎患者からエコーウイルス30型を分離して以降、1998年4月まで継続的に少数の患者発生がみられた。5月から増加傾向を示し、この間の患者数は81名、分離数 102株となった。

今回の流行は、冬期間も継続流行し、患者数149名、分離数204株となった1991〜92流行年以来のことである。前回の流行においても無菌性髄膜炎が111例74%と大部分を占めた中に脳炎が2例みられたが、今回も6月に入り3歳女児に脳炎発症がみられた。

今回の疾患別状況は、無菌性髄膜炎が70例86%と大部分を占めた。次いで上・下気道炎3例 3.7%、脳炎、脊髄炎、上気道炎、咽頭炎、気管支炎、ヘルパンギーナ、発熱、不詳が各1例ずつであった。また、無菌性髄膜炎患者は男児48例、女児22例で、その年齢分布は男児では6歳14例、7歳8例、5歳7例、女児4歳6例、5歳4例が多い状況であった。

ウイルス分離には、HEL、RD-18S、FL細胞を用い、感受性を示したのはHEL、RD-18Sで、特にHELで高い感染価が得られた。

県下では、7月に入り患者数は急増している。

香川県衛生研究所 三木一男 来美由紀 亀山妙子 山西重機

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