百日咳患者数は引き続き減少傾向、一方ワクチン未接種乳児における危険性は不変−英国
イングランドとウェールズで1999年第1四半期で届出のあった百日咳症例は242例であり、同時期の比較では1998年は461例、1997年は691例であった。1997年の発生状況は、年間届出数2,989例で記録上最少であった。これら罹患率の下降傾向は、近年のワクチン接種率の増加によるものである。届出率で最多を占めるのは3カ月以下の乳児であり、最も重症化する年齢である。
1999年第1四半期では、この年齢層の罹患は14%(34/242例)を占めていた。この年齢はワクチン接種を受けるには年少すぎるため、O〜2カ月の乳児における百日咳菌との接触のリスクをよく反映している。1997年の0〜2カ月乳児の流行は、1990年のそれとほぼ同規模であった。その他の年齢層でこの傾向があるのは14歳以上だけであった。これは集団の中における百日咳菌の伝達パターンの変化を示唆している。若年小児への百日咳の影響とその感染源の調査が、PHLSとロンドンの4小児集中治療ユニットで共同調査として始められている。1999年第1四半期で届出のあった百日咳症例242例のうち、65例が培養同定で百日咳と確認されている。培養法は百日咳の確認のためには感度の悪い方法であるが、高い特異性があり、CDSCとマンチェスター大学に設置されているPertussis Reference Laboratory (PRL)で運営されている強化サーベイランス機構の基礎となっている。
(CDSC、CDR、9、No.23、201、1999)