若い女性におけるHIV陽性者の集積、1997〜98年−米国・ニューヨーク州

1997年7月、ニューヨーク州の北部地方郡の診療所から6人の若い女性のHIV感染が報告され、彼女らはすべて同じHIV感染男性(発端患者)と性的接触のあったことが判明した。その後数カ月間に公衆衛生当局のルーチンのインタビューにより、この男性との性的接触者が次々と発見され、最終的にこの郡で約1,400人がカウンセリングと検査を受けた。

47人の一次接触者がこの男性と膣性交をもったことが確認され、検査された42人中13人(31%)にHIV感染があった。これら13人の一次接触者から84人の二次接触者が確認され、検査50人中1例にHIV感染が見つかった。HIV陽性の二次接触者1人から3人の三次接触者がみつかった。検査した1人はHIV陰性だった。HIV感染妊婦から生まれた3人の子どものうち1人がPCR陽性であった。発端患者あるいはHIV感染一次接触者が同じ性交渉や注射針を共有したという証拠は得られなかった。

HIV-DNAの検査のために、10例のHIV陽性一次接触者、1例のHIV陽性二次接触者、そして今回の集積に関連のない2例のHIV感染者(地域対照)から血液検体を得た。発端と推定される男性の血液検体は得られなかった。13検体はすべてサブタイプBであった。系統樹による解析により、10例の一次接触者のウイルスは高度な関連性が示唆されたが、二次接触者は今回の集積とは関連性のない感染源からのものが考えられた。

13人のHIV陽性一次接触者と発端者との最後の膣性交は1996年2月〜1997年1月で、HIV感染のなかった一次接触者25人は、1995年1月〜1997年8月に最後の性交渉があったと申告している。発端者との膣性交の回数は、感染者では中央値6回(2〜 190回)、非感染者では3回(1〜90回)で感染者に多い傾向があったが有意差はなかった。しかしながら、1996年9月以降に性交渉があった症例に限ると、感染者(中央値3回、2〜6回)では非感染者(中央値1回、1〜2回)より有意に回数が多かった。
(CDC、MMWR、 48、No.20、413、1999)

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