ウマの西ナイルウイルス(WNV)感染、 2000年−フランス南部
(Vol. 21 p 245-245)

2000年9月3日フランス南部のHerault郡で西ナイル脳炎が疑われるウマ2頭症例の報告がパリのVeille Sanitaire研究所に届いた。9月8日、それらのウマ症例は、血清の特異的IgM抗体とウマ脳のPCR法で、西ナイル脳炎と確定された。

西ナイル脳炎のウマが発生した地域は、世界の他の地域から野鳥が飛来するCamargueという湿地帯に近い。WNVは1964年9月に初めてCamargueで分離され、ウマおよびヒトのWNV感染がこの地域で確認されたのは1970年代末が最後であった。9月9日媒介蚊(その地域ではCulex modestus)のボウフラ生息地を対象にした媒介蚊対策がHerault郡で行われた。また、その地域の住民には、昆虫忌避剤を使用するなどの個人予防のための衛生教育が行われた。

ウマに関しては積極的サーベイランスが行われ、さらにウマの血清学的疫学調査が、ウマ症例が報告された地域で行われる予定である。なお、ウマの移動は制限されている。野鳥や蚊の調査も計画中である。

ヒトに関しては、Camargueの3つの地域で病院、救急室、感染症科、神経内科、検査室を対象に、原因不明の脳炎患者の調査が行われている。また、フランス全土で、発症の2週間前にCamargueで過ごした既往がある原因不明の脳炎患者を見つけるためのサーベイランスが行われている。

現在までに、Herault郡とGard郡で39頭のウマ症例が見つかり、うち8例が検査で確定診断された。各症例の発生地は最大15km離れていた。ヒトの症例は見つかっていない。

(Eurosurveillance Weekly、 No.39、 2000)

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