Salmonella Typhimurium DT204bによる集団発生、2000年−英国および他のヨーロッパ各地
(Vol. 21 p 246-246)

2000年9月1日〜27日にかけて、イングランドとウェールズにおいて多剤耐性を示すヒト由来Salmonella Typhimurium DT204bが125株分離され、英国PHLSの腸管病原体検査部にて性状検査が行われた。症例の多くは北東部で発生していた。症例は男45%、女55%、ほとんどが若年成人であり、海外渡航歴が明らかな症例は4例のみであった(ドイツ、ギリシャ、オランダ、メキシコ)。分離された菌株はすべて同一の薬剤耐性を示した(アンピシリン・クロラムフェニコール・ゲンタマイシン・カナマイシン・ネオマイシン・ストレプトマイシン・スペクチノマイシン・スルフォナミド・テトラサイクリン・トリメトプリム・ナリジクス酸・シプロフロキサシン)。

1999年〜2000年8月までにPHLSへ報告されたS. Typhimurium DT204bの症例は43例で、今回の事例の分離株と同じ耐性型を示した株はなかった。

一方、アイスランドにおいても2000年9月9日〜26日に、同じ耐性型を示すS. Typhimurium DT204bによる126例の集団発生事例が認められた。患者の多くは10代もしくは若年者であり、共通危険因子としてファーストフードの喫食が認められた。疫学調査により、輸入レタスが感染源であることが示唆された。分離された菌株17株を上記の英国分離株と比較したところ、プラスミド分析上区別がつかなかった。

同じ耐性型を示す類似菌株がドイツ、オランダ、スコットランドからも報告されている。諸外国における同一菌株による被害の有無を調べるため、Enter-netを利用した症例調査が強化された。

(CDSC、 CDR、 10、 No.39、 349、 2000)

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