新生児におけるB群レンサ球菌感染症、1998〜99年−米国
(Vol.21 p 247-247)

B群レンサ球菌(GBS)は新生児敗血症の主要病原体であり、米国内で1年間に7日未満児約2,200名が感染していると推定されている。周産期GBS感染を防ぐには、発熱、早期破水、早期分娩などGBS感染リスクの高い妊婦に分娩時予防投薬する方法(risk-based approach)と、全妊婦に対し35〜37週に膣および直腸のスワブ検査を行い、GBSを保有する妊婦に対し分娩時予防投薬を行う方法(screening-based approach)とが推奨されている。

効果的予防方法を検討するために、Active Bacterial Core Surveillance/Emerging Infections Program Networkが新生児GBS罹患児の出産記録を検討した。症例は、上記サーベイランス対象の全米8地域において、通常無菌的な部位からGBSが分離された出生7日未満児とした。1998年190例、1999年153例が対象となり、出生1,000に対し1998年0.55、1999年0.39の罹患率であった。また本症の致死率は5%であった。

GBS罹患児の母親322人のうち104人(35%)が分娩前のGBS検査を受けており、そのうち36例(35%)がGBS陽性であった。しかし、しばしば35〜37週という推奨時期にGBS検査が行われておらず、膣および直腸両方の検査が行われていたのは一部であった。さらに、母親322人のうち、分娩時予防投薬を受けていたのは68人(21%)であった。

今回の結果は、GBS重症確定例のみを対象としたこと、治療がいずれの方法に基づいて行われたか不明であるなど制約はあるが、これらの妊婦の多くが検査を受けず、妊娠時に危険因子が現れていなかったことから考えると、risk-based approachよりもscreening-based approachの方が有効性が高いと考えられる。ガイドラインと患者向け教材はhttp://www.cdc.gov/ncidod/dbmd/gbs参照。

(CDC、 MMWR、 49、 No.35、 793-796、 2000)

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