経口ポリオワクチンを使用している国々への不活化ポリオワクチンの導入
(WHOの指針)


(Vol.24 p 275-275)

ポリオ予防接種については、 野生株ポリオウイルスによるポリオ症例が報告されていない地域においても輸入症例の危険性があるので、 それを続ける必要があるが、 そのような地域では、 経口ポリオワクチン(OPV)によるポリオ症例の危険性が、 輸入症例や、 研究室内での感染症例の危険性よりもより大きくなってきている。このためこのような国々のいくつかで、 不活化ポリオワクチン(IPV)の導入(OPVとの置換、 またはIPVとOPVの混合使用)が行われてきている。

1988年の時点では、 IPVを使用していたのは5カ国のみであったが、 2002年末の時点で、 IPVのみを使用しているのが22の国/地域、 IPV/OPVの接種スケジュールを行っているのが8つの国/地域となっている。

WHOとしては、 IPVはポリオ根絶後の時期のための非常に有効なワクチンであると考えるが、 現在(2003年7月)は、 以下の条件の地域ではIPVの導入を推奨しない。

 ・熱帯地域に属する開発途上国
 ・現在(2003年7月)および最近までポリオ症例が確認されていた地域、 またはそれらの地域と交流がある地域
 ・WHO/EPIの通常予防接種(すなわち6、 10、 14週のスケジュール)を導入している国
 ・DTP(ジフテリア、 破傷風、 百日咳混合ワクチン)3回接種率が90%以下の国

IPV導入に関する次回のWHO指針としては、 2004年後半に再検討される予定である。

(WHO、 WER、 78、 No.28、 241-250、 2003)

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