今冬のインフルエンザ総合対策

(Vol.26 p 301-302)

1.はじめに

インフルエンザ総合対策については、毎年標語を掲げ、国および都道府県等において総合的な対策に取り組んでいるところである。今冬は、<手洗い、うがいが基本です。インフルエンザは予防から>という標語を掲げて、2005年11月7日をキックオフデーとし、本格的に対策に取り組むこととした。具体的な対策は次項のとおりである。

2.具体的対策

(1)インフルエンザ予防ポスターの作成・配布:厚生労働省において、インフルエンザ予防のためのポスターの原画を作成し、インフルエンザホームページに電子媒体形式(PDF ファイル等)で掲載した。都道府県においては、これを適宜活用し、医療機関、学校、職域等地域住民への普及を図り、インフルエンザ予防をよびかけることとしている。

(2)「インフルエンザ Q&A」の作成・配布:厚生労働省、国立感染症研究所感染症情報センター、日本医師会感染症危機管理対策室において、毎年インフルエンザ流行シーズンに多く寄せられる質問項目についてQ&Aを作成して公表する。

(3)施設内感染防止対策の推進:厚生労働省は、日本医師会感染症危機管理対策室とともに、インフルエンザウイルスの高齢者施設等への侵入防止と侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引きを作成し、各施設に普及することとしている。

(4)インターネットホームページの開設:Q&A等の他に、1)患者発生の週間情報、2)インフルエンザ様疾患発生による学級等閉鎖情報、3)迅速性に重点を置いた毎日の流行情報、4)関連死亡情報等の発生状況調査について、準備ができ次第逐次掲載している(http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1.html)。

(5)相談窓口の設置:インフルエンザ等相談窓口を開設する。窓口および開設時期などは以下のとおり。

・開設時期:2005(平成17)年11月7日〜2006(平成18)年3月31日
・相談窓口:NPO法人バイオメディカルサイエンス研究会(バムサ)
・対応日時:月曜日〜金曜日(祝日除く) 9:30〜17:00
・電話番号:03-3200-6784
・FAX番号:03-3200-5209
・E-mail:influt@npo-bmsa.org
(6)予防接種に関する情報提供:65歳以上の高齢者については、予防接種法に基づく接種を受けることが可能である。インフルエンザ予防接種の意義、有効性、副反応等に関して、Q&Aなどを通じた情報提供を行う。

(7)ワクチン・治療薬等の確保

ア.インフルエンザワクチン:今冬のワクチンについては、昨年並みの 2,020〜 2,100万本(1ml換算;平成17年9月22日時点)の供給が予定されており、そのうち約60万本のワクチンを不足時の融通用として確保することとしている。また、都道府県と協力して、医療機関等へのワクチン納入等について調整を行う。

イ.抗インフルエンザウイルス薬:今シーズンは、リン酸オセルタミビル約1,500万人分、ザナミビル水和物約15万人分が確保できる予定である。

ウ.インフルエンザ抗原検出キット(迅速タイプ)の供給:インフルエンザ抗原検出キット(迅速タイプ)の供給量については、約2,200万人分の供給を予定しているが、需要の増加に応じて増産は可能である。

(8)その他:他の患者への感染の防止のため、咳などの症状を有する方が医療機関を受診する際は必ずマスクを着用するよう、呼びかけることとする。

厚生労働省健康局結核感染症課

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