スペインでvCJDの最初の報告例

(Vol.26 p 310-310)

スペイン保健省は、スペインにおける変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の症例を報告した。その患者はマドリードの26歳女性で、2005年7月10日に死亡した。vCJDに特異的なリスク因子(輸血歴または英国への渡航歴)はみられなかった。

症状は2004年11月に始まり、急速に痴呆にまで進展し、MRIおよび脳波は正常であったが、髄液中に14-3-3蛋白が検出された。その他の神経学的徴候、すなわち運動失調、構音障害、失行症、ミオクローヌスなどは、2005年の初めに出現した。MRIでの異常は2005年4月に初めてみられた。プリオン蛋白遺伝子のコドン129番メチオニン残基がホモ接合であった。プリオン蛋白遺伝子の突然変異、CJDの家族歴などは認められなかった。

本症例は2005年5月にスペインCJD登録システムに報告されたが、当初、孤発性CJDのprobable例、およびvCJDのpossible例の両方の診断基準に合致しており、前者として登録された。マドリードの一病院における脳の神経病理検査の結果、vCJDであることが確認された。検体はさらなる検討のために、エジンバラの英国国立CJDサーベイランスユニットにあるヨーロッパリファレンスセンターに送られ、8月に結果が出る予定である。

(Eurosurveillance Weekly, 10, Issue 31, 2005)

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