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Vol.1 (1980/10[008])

<外国情報>
オウム病サーベイランス


 1975年後半からカリフォルニア州でペット鳥類間のオウム病の届出が増加している。その実数は1975年後半27件,77年120件,78年192件,79年271件,80年は3月までに147件となっており,疫学調査によれば一般家庭のペット,ペット小売店,卸売店,生産業者からの届出を含み,種類は大型のオウム類の種(オウム,コンゴーインコ,ボタンインコ等)であった。人の感染例も増加し,1965〜74年の10年間に年平均8例の発生にすぎなかったものが1975〜78年の4年間に年平均24例と3倍となり,1979年には30例(死亡1例)となった。米国産インコには個別の証明書の発行保存を行うよう指導し効果を上げている。人や鳥のオウム病が発生した時は感染源調査を行い,蔓延防止策として対象鳥類を限り,地方衛生当局の指示により,クロルテトラサイクリンを餌に混じ30〜45日投与することにしている。また,輸入鳥については検疫期間中クロルテトラサイクリンを投与しているが,検疫解放後オウム病を起した例があり,この方策の再検討の必要がいわれている。

 わが国でも最近オウム病がふえており,世界的な流行なのかもしれない。かって1930年頃に世界的な流行が起ったことがあり,わが国最初のオウム病死亡例はこの時に記録されている。いずれにしてもオウム類に由来するオウム病は小型鳥類からのものに比べると重症が多いので注意しておく必要がある。

(WHO W.E.R.,No.18,11/Z,1980)






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