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このたびWHOの肺炎球菌莢膜タイプ調査の一環として当研究所にデンマーク,スターテンス研究所から83タイプ血清がまいりました。皆様に御連絡申し上げますとともにこの研究への各位の御協力をお願い致します。
記
日本をはじめヨーロッパ,米国等先進国では肺炎球菌による感染は非常に減っていますが,南アフリカ等では,未だ重要な疾患になっております。また,肺炎球菌の莢膜タイプは国によってそれぞれ異なっていることが明らかになっていきました。このようなことから今回WHOでは,同菌に関するサーベイランスを全世界的に実施しようとしております。このたび当所に対し,日本における同菌の莢膜タイプについての菌型調査依頼がまいりました。
WHOからは検査方法を統一するため,以下のような指示がまいっております。
1.検査の種類
肺炎,脳脊髄膜炎,中耳炎,膿胸その他の疾患で入院した患者の血液および体液(胸水,腹水,髄液,関節液,心のう水,中耳液)
2.検体採取および増菌分離方法
1)検体:抗生物質投与前に無菌的に採取する。
2)増菌:ビーフハートインフージョンブロース,トリプティケースソイブロースまたは,スタンダードなチオグリコレート培地を用い,37℃で培養し,24時間以内に検査する。
3)分離培養:血液(ウサギ,羊,馬,ヒト)加トリプティケースソイ寒天平板を用い,ローソクジャー(5%CO2)中で培養する。
4)純培養:平板上に発育した平滑で光沢のある直径1〜2mmのコロニーでの溶血を示したものを血液加斜面寒天培地に分離する。
5)同定試験
○オプトヒンによる発育阻止試験
○ペニシリンに対する抵抗性試験
○莢膜膨化試験
純培養した菌株を当研究所にお送り下さい。同定試験は当所で行います。
菌株分離の場合は下記に御連絡を戴きますようお願い申し上げます。
〒612 京都府京都市伏見区村上町395
京都府衛生公害研究所 細菌部 田辺 厳,降井 佐太郎,森垣 忠啓
電話(075)621-4067
京都府衛生公害研究所 藤原 元典
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