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カナダにおけるPPNG分離株のサーベイランスは,最初の報告があった1976年の末からはじまって,1980年9月15日現在において計66の分離株が確認試験のため Laboratory Center for Disease Controlに送付されてきた。66株のうち54株(82%)は1979年1月以後の分離で,地理的にはOntario州(43.9%),Alberta(21.2%),British Colomubia(21.2%)に報告が集中している。ほぼ70%は男子患者由来で,年令は20〜34才に多い。感染地のはっきりした52例のうち24例(66.7%)は東南アジアで,ついで米国,メキシコ,アフリカからの輸入例である。ペニシリンやアンピリシンでの治療は全例において失敗しており,また,PPNGはテトラサイクリンに対しても耐性を示すものがあり,治療失敗例は20%以上にも及ぶ。すべての分離株は2.6メガダルトンの潜在プラスミドをもっており,ペニシリナーゼ耐性プラスミドは2種類の大きさのものがある。分離株の86.4%には4.5メガダルトンのものがあり,多くは東南アジア由来株にみられる。3.2メガダルトンのプラスミドは13.6%の株にみられ,アフリカやカリブ海諸島由来である。多くの株はプロリン要求性や原栄養的である。
(WHO,WER,No.10−13,March 1981)
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