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Vol.2 (1981/4[014])

<外国情報>
サルモネラサーベイランス


オーストラリア−1980年1〜3月の期間,ヒト由来サルモネラ分離株数は1740で86の血清型を含む。S.typhimuriumが主要菌種で724株あり,49のファージ型にわかれた。頻度の高いファージ型は170,179,135そして108である。170型は汚染サラミに関係して発生したVictoriaと南オーストラリアでの食中毒の流行から分離された。108型の報告数上昇は主としてQueenslandでおこった。

S. bovis-morbificansも頻度の高い血清型で198例もあったが,3つの食中毒事例に由来している。S. saint-paulが全国的にひろがりがすすんでいるようにみえて注目すべき菌種となっているが,この傾向を説明しうるほどの集団発生は報告されていない。

ファージ型別不能のS. typhimuriumによってVictoria地区で誕生パーティーに出席した140人中42人が症状をおこした。16人の患者ならびに共通の摂取食品である鳥肉から菌が分離された。

S. houtesがCairusのミッションで新生児の便から分離されている。また,S. dysenteriae 1が海外旅行の経験のない13才の少年から分離されたが,16ヶ月前インドに旅行したことのある49才の保菌者の婦人と接触があった。

編集部ノート;オーストラリアではサルモネラ感染はありふれたものであるが,しかし毎年発生する人感染総数は不明である。というのは多くは治療をうけることがないからである。サルモネラの環境所在の指標については,アデライデにあるサルモネラリファレンスラボラトリー(SRL)とパースにある衛生研究所の業務の中から得られる。1979年SRLはすべての検査材料に由来するサルモネラ株(うちヒト由来2630株13%を含む)20291の血清型を分類し,環境由来株の血清型分布パターンは,ヒト由来株のそれとほぼ同一傾向であることを認めた,豚肉と牛肉とが由来環境の主なるものであるがこれは調査が特に重視されるためであろう。

(WHO,WER,No.4-30 Jan.,1981)



サルモネラサーベイランス(オーストラリア,1980年,1月〜3月)





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