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世界的にマラリアが復活してきているので,その対策としてのマラリアワクチンの必要性が関係学者の間で注目されている。
抗マラリア剤開発に払われた努力にくらべれば,ワクチン開発のためのそれはとるに足らない程度のものであったが,一連の動物マラリアを用いてスクリーニングするという点では同じである。ただ,ワクチンとしての候補がでてきても,それに対する免疫応答においてヒトと動物とが同じかどうかという問題に対しては,現在のところ確信に乏しい。
著者らは過去・現在におけるマラリアワクチン研究について総説,し次のような見解をまとめている。
無性マラリア寄生体に対するアジュバントと抗原との複合ワクチンについて研究成績をいろいろな宿主−寄生体の組合せにおいて概観した。そして抗マラリアワクチンの開発と試験法にまつわる諸問題について考えてみた。アジュバントの必要性とその種類については宿主による。マラリアワクチンに対するヒトの免疫応答は知られていないので,ヒトのモデルとしてどの動物がよいかはわからない。一般にはサルが一番近いモデルとみなされてはいるので,精製マラリア抗原に対するサルの免疫反応を注意深く研究することが,ワクチンを開発し,ヒトで試験するために必要である。
(Bull., WHO,58(6),897,1980)
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