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Vol.2 (1981/10[020])

<国内情報>
今年の岡山県の食中毒事例について


県環境保健部で今年1月より9月現在までにまとめた食中毒発生件数は15件2617人で病因物質としてエルシニア菌2件,キャンピロバクター1件,サルモネラ菌3件,腸炎ビブリオ1件,その他検査中2件,不明1件である。そのうち集団発生例を表1に示したが,これらは全て原因菌が異なっている。

例1,2と4は原因食が決定されず,潜伏期間が不明であり,エルシニア菌による場合は発生機関が非常に長期におよぶ特徴がある。例3は現在毒素産性能を検査中であるが,潜伏時間も短く発熱を伴わない典型的毒素型食中毒であり,患者便中にレシチナーゼ陽性のセレウス菌を107/gのオーダーに検出している。この例では原因食(うどん)に腐敗の進んだ袋と比較的良い袋が混在しており,あるクラスでは学童より腐敗臭味の訴えがありながら,給食に供されたものは全部食するよう指導されていたため事件を大きくしているようである。例5は事業所を対象とする給食会社の弁当によるもので,6日間にわたり1174人の患者が発生しており,恐らく昭和56年1月から9月までで我が国の発生例の最大規模のものと思われる。本件の平均潜伏時間を12〜24時間とすると7月23日より27日までの5日間S. braenderupにより暴露されていることになる。7月23日15時営業停止処分を行っており,以後患者の発生は1〜2日で終息している。これらの5例はいずれも集団を対象とした給食であり,給食施設での食中毒予防の重要性が痛感された。



岡山県環境保健センター 井上正直


表1.岡山県での集団発生例





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