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Vol.3 (1982/4[026])

<外国情報>
交換学生の風疹―テネシー


 10週間の夏期講座(出席者2,700人)に参加した日本人交換学生と教員200名中,7名の風疹発生が報告された。彼らは同一宿舎に泊り,独立した講座だったが他の学生との接触はあった。最初の患者は日本をたって6日目に発症,ロッキー山斑点熱と診断,2人目は20日目(7月25日)に発症,麻疹と診断,8月に入って三次感染がおこり初めて風疹が疑われ,血清学的に確認された。日本人学生は21人(10%)が風疹ワクチン接種者であったが,これに対し,アメリカの学生2,500人中200人の調査では67%がワクチンを受けていた。188人の日本人学生および他の学生・職員に8月4日に風疹−麻疹混合ワクチンが接種された。その後の流行の拡大はなかった。

 MMWR編者註:米国では学生年令に風疹感受性者が多い。今回拡大が防げたのは日本人学生が独立組だったことおよび他の学生のワクチン接種率が高かったためだろう。大学は交換学生を含め風疹免疫証明(ワクチン接種または抗体保有証明。臨床診断は不可)を考えるべきである。今回は診断がつく前に3代の感染がみられた。風疹の場合流行初期に診断がつかないと,大学のような機関では適切な措置は講じがたい。

(MMWR,Vol. 31,bW,1982)






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