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CDCは性器ヘルペス症についてNDTI(National Diseases and Therapeutic Index)により収集されたデータを分析した(NDTIの調査対象はハワイ,アラスカを除く全国で開業医に診察を受けた患者より層化無作為抽出されたもので,往診や電話相談も含んでおり,診断についての確認はしていない)。性器ヘルペス症の診察件数は29,560(1966)から260,890(1979)と急増しており,これを診察件数10万対でみても3.4から29.2と9倍に増加している。これに対し,口部と眼のヘルペス症は,10万対で2倍未満の増加にすぎない。その他の熱病ヘルペスと単純ヘルペスまたは特に記載のないヘルペスは10万対でみて,特に増加していない。開業医による診察件数を見積もるのに有効な資料として,他にはNAMCS(National Ambulatory Medical Care Survey)が唯一であるがNAMCSは性器ヘルペス症のコードを1979年に初めて用いているため,ヘルペス症全体の診察件数をみると,838,000(1973)から937,000(1979)と11.8%増加している。同時期(1973−1979)のNDTIのデータにおけるヘルペス症全体の件数の増加は9.9%である。
編集者註:NDTIの対象に含まれていない医療機関での診察件数はわからないので,このデータだけで全国の性器ヘルペス症の数を推測することはできないが,性器ヘルペス症の流行が進行中であるという主張は支持される。
(MMWR,Vol. 31,11,1982)
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