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1981年1〜3月に9週間にわたり英国の1寄宿学校(生徒294,男257,女37,スタッフ55)にアデノ7b型が流行した。2人の上級生徒がクリスマス休暇のあと発病,次々と拡がり,合計75人が発病した。主症状は40℃以上の発熱と,会話や嚥下困難を伴った重症の咽頭痛であった。結膜炎,下気道炎はなく,咽頭,へんとう腺に充血がみられたが,膿,潰瘍,膜形成はなかった。有病期間は3〜6日で,ペニシリンかco-trimoxazoleが与えられた。女子はクラスは同一なのに1人も感染しなかった(37人中10人が通学生)。スタッフのうち8人が感染したが一般に軽症で,生徒と同程度の重症は保母と校医の2人だった。血清検査された3人でアデノに対するCF抗体価の上昇がみられたので,ウイルス分離が実施され,テストされた4人すべての咽頭ぬぐい液からヒト胎児腎細胞でアデノウイルスが分離され,最終的に,DNArestriction site mappingによって7b型と同定された。アデノ7b型はアデノ7型でおこる重症感染の主な原因とみられる。
(WHO,WER,57,16,126,1982)
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