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Vol.3 (1982/6[028])

<外国情報>
コクサッキーB2の流行


 英国で1981年夏から秋に流行,427例が実験室より報告された。このウイルスの検出数の山は1967年(592例),1970〜71年(695例),1974〜75年(428例),1978年(391例)と3年ごとに流行がみられており,また,この中間の年にもウイルスが消失することはなく,最低は1969年の21例である。1981年の流行は5才以下が中心(269例,60%)で,成人では25〜44才が多かった。

 主症状は上・下気道炎,胃腸炎,髄膜炎,ボルンホーム病または非特異発熱で,5才以下で胃腸炎と上気道炎合併症が多かった。髄膜炎,脳炎は52例(13%)で,エコーウイルスよりかなり低頻度である。新生児の報告は13例にすぎないが,最も重症で,6例が髄膜炎/脳炎,2例が心臓感染,2例が窒息症状を呈した。

 死亡例12例中5例が新生児であった。この中に双生児例があり,1人は生後4日で発症翌日死亡,剖見で脳炎,矢状静脈洞,血栓症を示し,ウイルスは肝,膵,心,肺,脳より分離された。双生児のもう1人も続いて死亡,咽頭からウイルスが分離,心筋炎,心嚢浸出液がみられた。母親の膣ぬぐい液はウイルス陰性であった。他の1新生児死亡例でも心筋からウイルスが分離された。

(WHO,WER,57,20,153,1982)






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