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Vol.3 (1982/6[028])

<外国情報>
ハシカ患者の分析,米国,1981年


 1981年中の3,032例のハシカ患者のうち,詳細な報告のえられた1,759例(58%)について,年令,免疫状況,学校・託児所通学状況によって分類し,次の考え方によって予防の可能性を分析した。

 1)予防が可能であったと考えられる例:15ケ月以上で感染した者,または1956年以降の生まれでワクチンをうけていない者。

 2)免疫をもっているとみなされた例:生後1年以降に生ワクチンをうけた者,および以前に医師からハシカと診断されたことがある者。

 3)ワクチン対策をうけ得る立場にある者:託児所に登録されている者および学童(5〜19才)。

 合計1,759例中780(44.3%)が予防可能とみなされた(表)。理由は,ルチーンの予防接種に対し若すぎるか年長すぎる者と,免疫ありとみなされていた群だからである。この群の0〜4才の285例中219例が15ケ月以下であり,他の66例が免疫ありとみなされた例である。学校年令の予防不可能な423例はすべて免疫ありとみなされた例である。結局,合計1,759例中,979例(55.7%)がワクチン投与による予防が可能とみなされた。

 編者註:数が限られていること,ランダムでないサンプルであること,正確さに地域差のあることを考慮すべきである。しかし,ハシカ対策を推進する地域を決めるのに役立つであろう。

(MMWR,31,16,271,1982)



表.ハシカ患者,米国,1981年





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