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Vol.4 (1983/11[045])

<外国情報>
妊娠中の風疹ワクチン接種−米国


 妊娠3ヶ月前〜3ヶ月後の間に風疹ワクチン接種をうけた妊婦について,1971〜82年にCDCに報告された959人の追跡調査が報告された。CendehillおよびHPV−77ワクチン接種者538人中接種時抗体のなかった149名のうち結果が報告されたのは143名で94人(66%)が妊娠を継続した。うち8例では血清学的に子宮内感染が確認されたが,これらを含め,出生児に先天性風疹症候群(CRS)は全く認められていない。RA27/3ワクチン接種者418人中111人が接種時抗体がなく,うち81名(71%)が妊娠を継続した。これらを含め追跡された新生児中346例(3例は双生児)に異常はなく,11例に先天性異常があった(2は接種時感受性,2は免疫あり,7は不明)が,いずれも風疹特異IgMは陰性で,CRSは証明されなかった。自然流産または死産が11例,人工流産は36例が報告された。28例中1例から風疹ウイルスが分離されている。以上の成績は1981年のImmunization Practices Advisory Committeeの勧告を指示する。すなわち1)CRSの理論的危険性により妊婦の風疹ワクチン接種は禁忌とする。2)妊婦には危険性を説明しワクチン接種から除外する。3)たとえ妊娠3ヶ月以内に接種をしてしまったとしてもCRSの危険性は妊娠中絶を示唆するほど大きくはない。しかし,最終的決定は医師と妊婦がすべきである。

(CDC,MMWR,32,No.33,430,1983)






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