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インフルエンザは普通4〜9月に南半球で,また,熱帯地域では一年中みられる。したがってこの地域の状況が北半球の次季の流行株を示唆する。
オーストラリアの報告によれば,今冬の分離株中100はA(H3N2)型,33はA(H1N1)型,25はB型であった。
他の地域をみても,1984年中はA(H1N1),A(H3N2)およびBの3型が検出され,いずれも目立った流行パターンを示さず,散発または局地的流行にとどまっている。現在までの状況でみるとこの3型が世界でサーキュレイトしそうである。
WHO Collaborating Centre for Reference and Research on Influenza, Londonによれば,オーストラリアおよび南アフリカで分離されたA(H1N1)は,A/Dunedin/27/83(H1N1)類似株,およびこれとやや異なった株(1983年にフランスおよび英国で分離された株)である。また,A(H3N2)については英国分離2株がA/Philippines/2/82(H3N2)類似株,イタリア分離株はA/Belgium/2/81(H3N2)類似株である。CDCによれば,米国分離株もA/Philippines/2/82類似株である。
これら流行ウイルスはいずれも今季のWHO推奨ワクチン株なので,米国ではワクチン接種の強化をよびかけている。
(WHO,WER,59,270-395,1984)
(CDC,MMWR,33,515-711,1984)
(CDC,MMWR,34,6-11,1985)
今季インフルエンザウイルスの分離を報告した国(1985年1月までの報告 WHO WERおよびCDC MMWRによる)
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